2014 Fiscal Year Research-status Report
学習者の授業後報告文に基づく行動特性の推定と授業評価手法の研究
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26540183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (30243851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 佐千男 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40126785)
合田 和正 九州情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50320396)
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, その他部局等, 教授 (80311166)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コメントマイニング / テキストマイニング / 学習意欲 / 理解度 / 学習状況報告文 / PCN法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究計画目標は、大別して、次の2点であった。(1)学習者の毎回の授業後の報告文の分析を行い、その結果から、学習者の学習行動特性や授業評価と関連の強いと思われる語句や表現の抽出を行うこと。(2)(1)で抽出した語句や表現と、学習者の最終成績との相関について調査・分析を行うこと。 (1)については、学習行動特性として、学習の意欲や努力度、理解度、協調度、気づき度などに関する5つの項目を設定し、各項目から語句の抽出を行った。また、(2)については、これらを利用し、学習者の最終成績との関係を調査した。また、学習者の最終成績を推定する手法として、様々な機械学習手法(Latent Semantic Analysis:LSA, k-means,Latent Dirichlet Allocation:LDA, probabilistic LSA:pLSA, Support Vector Machine:SVM, Artificial Neural Network:ANN, Word2Vec)などを組み合わせ利用し、推定精度の改善を図った。学習者の報告文から、成績推定においては、直接、語句の個々の表現を利用するよりも、LSAやpLSA, LDAなどで、語句をグループ化した表現を利用する方が、推定精度が大幅に改善できることを確認した。 さらに、複数の授業回での各学生についての予測成績の変化や、予測した最終成績のクラス内での分布と、予測精度との間に高い相関があることを確認した。 学習者の最終成績推定に関する成果は、査読付きの国際学会6件、査読無し国内学会1件で口頭発表を行うとともに、査読付き英文論文誌2件に公表した。さらに論文誌に1件、投稿中である。その他に、査読付き国際学会4件の受理が決まっている。 さらに、サウジアラビアの大学の教員と協力し、学生の授業後報告文の収集を試行した。サウジアラビアの大学の学生に、報告文を記載してもらう際には、記載内容の例示や、モチベーションアップのための、コメントへのフィードバックが必須であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目標としていた学習者の学習行動特性や授業評価に関する語句の抽出については、学習者の新たな授業後報告文の収集が必要であるが、その収集と分析には時間がかかるため、平成26年度には、まず、授業後報告文として収集すべき項目の設定と、報告文の収集だけを優先的に進めた。また、授業後報告文に基づいた学習者の最終成績推定については、その推定精度が十分ではないと感じられていたので、その手法の改善を優先的に進めた。推定精度については、様々な改善手法を提案し、2つの論文誌(さらに1件、投稿中)と9つの国際学会で報告(発表予定を含む)することができ、十分な成果を得たと言える。また、当初、エジプトの大学の学生から授業後報告文を収集することを予定していたが、その収集を許可してもらえなかったため、別の収集協力者を探すことに時間がかかったが、現在は、サウジアラビアの大学の教員と協力し、授業後報告文の収集を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成26年度に収集した学生の授業後報告文の分析を進めるとともに、今年度も、あらたな学生の授業後報告文の収集につとめ、分析を行う。本年度は、特に、授業評価指標の定義と、分析結果の提示を試みる。
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Causes of Carryover |
平成26年度末に、当該年度の成果を国際会議へ投稿し、その旅費確保のために、使用を控えたこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
採択が決まっている国際会議(AIED,EDM)の発表の一部として利用する。
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Research Products
(20 results)