2015 Fiscal Year Research-status Report
学習者の授業後報告文に基づく行動特性の推定と授業評価手法の研究
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26540183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (30243851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 佐千男 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40126785)
合田 和正 九州情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50320396)
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, その他部局等, 教授 (80311166)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コメントマイニング / 機械学習 / 最終成績推定 / 学習属性 / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,論文誌4件(和文,英文各2件),Book Chapter 1件,国際会議6件に研究成果を報告した.さらに,国際論文誌1件と国際会議2件に投稿中であるなど,研究成果(アウトプット)は計画以上に上げている.
具体的な成果の内容は次の通りである.1)授業後に提出してもらった学生自身が記した授業に対する学習内容に関するコメント文に基づき,学生の最終成績についての推定手法を様々考案した.特に,推定精度向上のため,様々な機械学習手法を試し,95%近くのF1値の獲得ができることを示した.高精度の推定が可能となった一つの鍵は,複数回のコメント文の内容を考慮するようにしたことである. 2)学習態度や理解度,協調性,予習・復習への努力度など,学習に関連する属性を設定し,コメント文中の言葉とその属性とのマッピングを取ることで,成績のランクに応じた学生の学習属性とその値の特徴などを明らかにした. 3)複数の教員のそれぞれの授業で集めた学生のコメント文に対して,我々が提案した最終成績推定手法が適用できること,すなわち,いずれのコメント文に対しても高い精度での最終成績推定ができることを確認した.4)最終成績推定を通して,学生のコメント文の内容の質が,授業回が進むに連れて徐々によくなることを確認した.特に,学習態度や理解度,他の学生との協調度などの,我々が学習属性として重視している項目との関連度が強くなること,それに伴って,最終成績推定精度が向上することを確認した.5)サウジアラビアの大学の教員の協力を得て,その教員の授業を受講している150名の学生からコメント文を取得した.その際,コメント文の質の向上のためには,教員のコメント文の書き方の指導やコメント文の内容に応じた個別の助言が不可欠であること,与えられた助言によって,コメント文の質が向上し,それが最終成績推定精度の向上に役立つことを明らかとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた内容 1) 学生の学習属性の設定,2) 学生のコメント文中の語句と学習属性との対応,3) 複数の授業で収集したコメント文への提案手法の適用,4) コメント文の質と授業回との関係の明確化など,ほぼ全て終了した.また,海外の学生からも,コメント文の収集が可能となることを明らかとし,そのコメント文についても同様に,提案手法が適用できることを明らかとした.これらは,3年計画で進めていたが,1年を残し,ほぼ終了した. また,本研究の成果は,中学生の学習状況改善や,コールセンターなどへも応用可能であり,それらからの引き合いも来ている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在はバッチ処理で最終成績推定を行っているが,これをリアルタイム処理可能とし,学生に対して,推定された学習状況の変化を示し,学習行動のモチベーションアップにつなげていきたい.また,本研究の成果を横展開するための仕組みの開発に取り組みたい.
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Causes of Carryover |
論文誌に投稿を行っているため,その掲載費用と国際会議出席のための費用として残す必要があったこと,また,新たなシステム開発とデータ取得に利用する携帯型計算機の購入費用として繰越す必要があったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文誌掲載費用,国際会議出席費用,携帯型計算機の購入に利用する.
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Research Products
(15 results)