2014 Fiscal Year Research-status Report
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26550031
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 暁 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90243609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 剛 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70633759)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Fukushima accident / beta ray / beta-tay dose / skin dose / dose estimation |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年3月に発生した福島原発事故により放出された放射性物質により、広範囲が汚染された。土壌汚染を引き起こした放射性物質の主要成分は、I-132,I-131,Te-132,Te-129,Te-129m, Cs-134,Cs-136,Cs-137であることは、多くの測定で明らかになっている。これまでの研究では、γ線による空間線量等の評価は多く存在するもののβ線による空間線量や皮膚線量の評価は、ほとんど存在しない。しかしながら、上述の放射性核種はγ線のみでなく、β線も放出する放射性核種である。β線による空間線量率は、全身被曝には寄与しないが、皮膚線量(70μm線量当量)に寄与する。したがって、β線由来の空間線量や皮膚線量の評価は、初期の皮膚の被曝や体の小さい昆虫などの被曝を評価する際に必要である。本研究では、沈着放射能からのβ線をモンテカルロ計算を行い皮膚線量を評価するための70μm線量当量の評価を行うことを目的とする。 MCNP計算コードを用いて、土壌中、5mm-10mmに配置した放射性核種:I-132,I-131,Te-132,Te-129,Te-129m,Cs-134,Cs-137から、β線を発生させて電子線輸送計算を行った。空間をセルに分け、各セルに付与されたエネルギーとセルに含まれる空気質量より空間線量を決定し、各物理半減期を考慮しβ線空間線量率の時間変化を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モンテカルロ計算の結果をまとめ、Estimation of β-ray dose in air and soil from Fukushima Daiichi Power Plant accident, Journal of Radiation Research, 2014, 55, 476-483に発表した。飯舘村や南相馬市で、アスファルト上と土壌上においてβ線量率の実測を行い、計算値と矛盾しないことを確かめた。また、β線の実験的な検証法として、レンガを用いた積算線量評価を思いつき、順次進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
β線線量の計算方法を拡張し、文部科学省が実施した2kmメッシュ土壌調査のデータを組み合わせることで、β線の積算線量マップの作製を行っていく。 また、β線の実験的な検証法として現在進めているレンガ試料を用いた積算線量評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
購入する消耗品代にわずかに残金が足りなかったため、次年度の物品費と合わせて購入することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の物品費と合わせて、消耗品を購入する。
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Research Products
(6 results)