2015 Fiscal Year Annual Research Report
メタゲノミクスと数理統計学の融合による新規な環境影響評価法の開発
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26550053
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
高見 英人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海底資源研究開発センター, 上席研究員 (70359165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 和広 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40512356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境メタゲノム / Q値 / 存在度 / 生理代謝機能 / 環境影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、26年度に行った個別生物種ごとでの各機能モジュールの充足率(MCR)の計算結果に基づき、近年、環境中での窒素や炭素循環への役割が注目されるようになったアーキアの機能分類をクラスタリング手法やPCA等の統計学的手法を用いて行った。その結果、同じ生理代謝機能を有する生物種は、系統学的分類パターンに必ずしも依存せずクラスター化され、各機能モジュールの充足率に基づき機能分類が可能であることがわかった。一方、実環境にはゲノム既知生物種との類似性が低い生物種が数多く含まれているが、メタゲノム的手法を駆使すれば、未培養菌からのゲノム再構築が可能である。そこで、機能未知生物種の生理代謝機能の推測を機能未知の未培養菌ゲノム配列から計算されたMCRパターンに基づいて行ったところ、系統的には独立栄養型栄養生物に近いが、機能的には従属栄養生物であることがわかった。 平成26年度、MCRの過大/過少評価を補正するための指標となるQ値の計算手法を開発した。MCRはMAPLEシステムで自動的に計算されるが、MCRが100%に満たないモジュールでも、Q値によって完成度が高いと示唆される場合がある。そこで、実際手作業でモジュールの再評価を行ったところ、完成型モジュールであることがわかった。このように、ゲノム情報が既知であれば未培養菌であってもMCRパターンに基づき機能分類が可能であること、また未完成のモジュールであってもQ値によって高い完成度が示唆された場合には、再評価を行う価値があることが示された。
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Research Products
(7 results)