2016 Fiscal Year Annual Research Report
Isotope fractionation of hydrogen stable isotopes for VOCs
Project/Area Number |
26550070
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
川島 洋人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (60381331)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 揮発性有機化合物 / 同位体分別 / 光化学反応 / 加熱濃縮器 / 水素安定同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
揮発性有機化合物(VOCs,Volatile Organic Compounds)は,大気中で複雑な反応経路を経て光化学オキシダントや粒子状物質を形成し,また発がん性や神経性を有する物質も含まれる等,問題視されている。さらに近年では越境汚染も懸念され始めており,VOCsの発生源や定量的な排出量の把握が望まれている。近年,ガスクロマトグラフと安定同位体比質量分析計(GC/IRMS)の融合・実用化が行われた。その結果,個別化合物中の安定同位体比が測定可能となり,地球化学分野や鑑識学分野において応用研究が欧州を中心に活発に行われている。 本研究では,VOCs多成分の高精度分析方法の確立及びそれら成分を光化学反応させて同位体分別係数を算出し,また理論計算(量子化学計算)も行うことで,VOCsの大気中での環境動態の解明を目指している。平成28年度は,平成26~27年度に行った約30世分のVOCsの光化学反応による水素及び炭素安定同位体比の同位体分別を結果についてまとめた。特に水素安定同位体比においては,ベンゼン,トルエンのみが逆同位体効果を示し,それ以外のVOCでは通常の同位体効果を示した。それらの原因についての調査を行った。近年,ベンゼンにおいて逆同位体効果の結果が示されつつあり,本研究結果もそれらの論文と同様に2次の動的同位体効果(sp2からsp3軌道への変化)によって,逆同位体効果が示されたのではないかと推察された。これらは大気中VOCsにおいては,初めて証明されたことであり,今後さらに逆同位体効果の研究が発展すると考えられる。
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