2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel extraction-electrodeposition process using ionic liquids for the purpose of efficient recovery of rare earths
Project/Area Number |
26550075
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松宮 正彦 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (00370057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有価物回収 / イオン液体 / 抽出分離法 / 電解析出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
希土類資源の安定供給策は国家規模で重視されており、我が国独自の希土類回収技術の開発は重要である。本研究はイオン液体系で「抽出分離技術」と「電解析出技術」を連携させることにより、廃棄物の減容化と省エネルギー化に優れた希土類回収プロセスの開発を目的とする。ここで、実廃棄物:ボイスコイルモーターを対象として「抽出-電解プロセス」の確立に挑戦することが新規の開発要素である。 平成28年度は「実廃棄物:Nd-Fe-B磁石からのNd, Dy抽出-電解プロセスの適用性検討」を中心的に実施した。 1.平成27年度までの研究成果をプロセス技術に反映するため、「抽出-電解技術」を中心的に研究を遂行し、希土類種を選択的に抽出した後、還元挙動解析から得られた結果に基づき、Nd, Dyそれぞれの抽出系において電解析出試験を実施した。ここで得られた電析物はSEMから表面形態が金属粒子状であり、EDXからNd, Dyを確認した。また、電析物中の酸化物形成が低いことはXPSにより確認した。 2.上記項目1の希土類系だけではなく、実際のNd-Fe-B磁石を利用した一連のプロセスによる鉄元素及び希土類種の抽出分離試験を行った。本試験において、鉄元素の抽出分離率>99.9%を達成した。また、電解析出に要するエネルギー見積もりを行った結果、従来技術である高温溶融塩系の場合と比較して、約1/8に削減できることが明らかとなった。 3.「抽出-電解プロセス」で適用する媒体を安価なイオン液体(2ユーロ/kg)に変更して、Nd, Dyの回収に抽出-電解法を適用した。その結果、希土類電析物はSEM/EDX, XPSから金属状態であることを確認できた。また、「抽出―電解プロセス」に対するコスト評価を行った結果、電解プロセスで利用する建浴費については、従来の高温溶融塩系に比べて、約1/2に削減できることが本研究から明らかとなった。
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Research Products
(6 results)