2014 Fiscal Year Research-status Report
生活機能―資源消費Web-Mapの作成に関する研究
Project/Area Number |
26550096
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303706)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 持続可能な消費 / 資源消費 / 物質フロー解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 仮説モデルの作成 生活機能(活動)と資源消費の関係を明らかにするために仮説モデルを作成する。WHOの「国際生活機能分類」の6つの構成要素をもとに、新たな仮説モデルを作成した。本研究では人間の活動の結果として、資源消費が生み出す環境への影響という「環境側面」、資源消費することで便利な生活を営めているかという「社会側面」、これに伴う費用や手間という「経済側面」の3つがあると仮定した。また、人間の活動を時間的に分類する際には、NHKの生活時間調査を参考にし、人間の活動を大きく、「拘束行動」、「自由行動」、「必需行動」「その他」の4つに分類した。作成した仮説モデルより活動と資源消費の関係を、4つの行動と3つの側面から総合的に判断し、実行可能な環境配慮行動の提案を行う。 2 各種値の算出 人間の活動から発生する各影響を値として算出する。環境側面の影響を判断するために、環境負荷に関する定量評価手法としてLCAを採用し、日々の生活の中で使用する製品単位でみた環境影響を算出した。なお、LCAのシステム境界は、素材(の調達)→製造→流通→使用→廃棄とした。 3 結果・考察 家庭での普及率が99%にもおよび、家庭内での消費電力が大きい家電である冷蔵庫を対象にLCA分析を行った。ここで、LCAの結果は、システム境界などの条件設定により結果の値がある程度異なることに注意しなければならない。結果より、各プロセスのおおよその環境影響値と、使用段階における環境負荷が他の段階に比べて多くの環境影響を引き起こしていることが分かった。したがって、使用段階での人々の意識や行動が重要であると考える。次に、経済影響として、産業連関表を用いて、生産額と温室効果ガス排出原単位との関係より、生産に要する環境負荷が生み出した生産者ベースの価値は7.65万円であることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生活機能―資源消費Web-Mapの基本的な設計を終えることができた。資源消費の変遷については個別の製品について試みたが、その手法が他の製品にも当てはまるかどうかは再考の余地を残した。個別の製品についての分析を27年度分ではあるが、終えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度で生活機能―資源消費Web-Mapの設計、資源消費の変遷、個別製品の分析等に関する手法を確立することができた。27年度では他の製品にも適用し、多くの事例を蓄積し、そこから汎用的な概念を抽出することを試みたい。
|