2015 Fiscal Year Research-status Report
生活機能―資源消費Web-Mapの作成に関する研究
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26550096
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303706)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活機能 / 資源消費 / 環境負荷 / 経済影響 / 持続社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人間活動による資源消費量を把握するための新しい手法として、生活機能―資源消費Web-Mapモデルを開発した。環境影響として、消費される資源の製造時の環境負荷、使用時の環境負荷を温室効果ガス(CO2eq)換算で、経済影響では、イニシャルコスト、ランニングコストを円で定量化する。平均的に一人一年間当たりどのぐらい資源を消費し、それによってどの程度の影響が発生しているのかを日常活動別に定量化し、活動別に資源消費の実態を把握、削減可能性を検討する。 まず、本研究で対象とする資源ごとに、イニシャルおよびランニングの一人一年間あたりの総環境影響、総経済影響を算出した。算出された総影響のデータを生活機能―資源消費Web-Mapモデルに適用し、様々な条件で活動別に案分することによって指標を作成した。 分析結果より、例えば睡眠(夜間の睡眠、昼寝、仮眠、ベットで眠りに落ちるのを待つ)による通信機器の使用は、1人1日あたり66.7分であり全体の32.4%に相当していた。この時間をなくすことで、28.96 kg-CO2eq、 14009円の削減が期待できる。また、複数のことを同時に行う日常活動にも削減可能性があるのではないか。例えば、テレビをつけたままの状態で他の活動をしている時間(身の回りの用事や食事、家事と同時に)は、一人一日あたり69分であり、テレビ使用全体の33.2%に相当する。この時間をなくしたと仮定すると、30.41 kg-CO2eq 、1175円の電気代の削減が期待できる。 本研究で構築した生活機能―資源消費Web-Mapモデルを用いて、日常活動別に資源消費の影響を定量化できた。活動の削減という新たな知見を得ることができ、日常活動の見直しによる削減可能性を検討することができた。このモデルによる分析は、資源消費量削減にむけた実態把握分析手法として有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は終了し、論文執筆をしている段階である。また、次の展開についても計画を立てて、実施を予定している
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で得られた結果を検証するために、アンケート調査を実施する。また、本モデルのアプリを作成し、配布して、人々の行動様式の変化を調査する。良い結果が出れば、アプリを広く配布し、社会実装する。
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Causes of Carryover |
当該年度に研究は終了したが、学会発表が十分でなく、論文発表もすることができなかった。そのために次年度に学会発表、論文発表をすることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表、論文発表の経費とする。
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