2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative water storage technology for relief of serious water shortage area
Project/Area Number |
26550098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 一広 九州大学, 工学研究院, 教授 (00180993)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境学 / 環境創生 / 水資源 / ダム / 海洋利用 / シミュレーション / 淡水不足 / 浮きダム |
Outline of Annual Research Achievements |
著しい都市化に伴う人口集中地域や急速に広がる砂漠地域での淡水不足は大きな社会問題となっている。立地の限られた陸上の貯水ダムや大規模化が困難な海水淡水化方式では、深刻な水不足地域での水需要の満足は困難であり、新手法の創出が切望されている。そこで我々は、これらの条件を満たす従来の陸上ダムの数百倍規模の海中浮き貯水ダム方式を検討した。浮き貯水ダムは降雨や河川から海へ流れ込む淡水を貯めておくものである。ダムは水を蓄えて海中に浮かぶが、移動はしないため、形状に制限は少ない。また、内外の圧力差は無いので、構造材の強度を小さくすることが可能で、高分子材料の簡易な仕切り程度で十分ということを計算にて確認した。 ダムで河川から流れ込む分が無い場合にはダム面積が集水面積となる。一方、河川上流淡水部分からパイプラインで取水すれば集水面積を陸上ダム並みに大きくできる。また、夏季は蒸発も速く進むため、蒸発を防ぐ蓋などを設置する必要があることが分かった。ダムでは大規模化のためには構造材として出来るだけ安価で加工しやすいものを構造材として用いる必要がある。鋼材の引張強度は数百MPaであり、高分子材料では鋼材の1/10程度である。一方、海流や波によって生じる流れの速さは約1m/s程度である。これが壁に与える圧力を概算すると、1m/sの1立方メートルの水の運動量は1t・m/sで、簡単のために1秒間で運動量が0になるとすれば、1kPaとなる。この圧力が幅1m長さ1000mに作用すると力は1MNとなり、これが壁厚5mmを引っ張るとすると、断面に作用する圧力は20MPaとなって引張強度と同程度となった。安全性を考慮すれば、この場合にダムの基本単位の大きさは100m程度ということになった。これを複数組み合わせれば良いことが分かった。
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Research Products
(1 results)