2016 Fiscal Year Annual Research Report
Causes of poverty - the case of the indigenous resettlers due to the Nam Theun 2 Hydropower Project in Laos
Project/Area Number |
26550108
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 麻衣子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 援助・地域協力 / 貧困削減 / 資源環境管理 / 住民移転 / 国際研究者交流(ラオス) |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は、アンケート調査実施のため、現地協力者を通して、4ー6月にMinitry of Energy and Mineと生計回復プログラム実施主体であるナムトゥン電力者と調査の詳細について協議を重ねたが、事業パフォーマンスに対する外部評価が芳しくなかったため事業期間が延長されるなど、事業として過渡的な状況にあることから最終的に当該時点で調査の許可を得ることができなかった。そこで、H27年度に代替研究対象地域として予備調査を行なっていたTheun-Hinbounダムにおける調査に切り替えることとし、Minitry of Energy and Mine、Local Government Office、Theun-Hinboun電力会社に打診し、調査許可を得た。8月下旬から9月上旬にかけてアンケート調査を実施し、11村から移転して3村に統合された村に対して、ほぼ全世帯である483世帯から回答を得た。調査内容は、世帯属性、主観的幸福感、収入・支出、生計、健康、ソーシャルキャピタルに関するものであった。主観的幸福感(Subjective Well-Being, SWB)については、OECDのSWB計測に関するガイドラインを参照して質問項目を構成し、これらに対する回答を用いて、共分散構造分析を用いてSWB指標を作成した。さらに、マルチレベル分析を用いることで、SWBが移転前の村単位で有意に差があること、またSWBと関連がある要素として、収入、特定の生計、健康、ソーシャルキャピタルがあることが明らかとなった。また、収入に対して回帰分析を行なったところ、過去の収入や、特定の生計と有意な関連がみられ、一方で、ソーシャルキャピタルとは負の関連が見られた。現在、取りまとめた論文は海外ジャーナルに投稿中である。
|