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2015 Fiscal Year Research-status Report

将来予測の事後評価

Research Project

Project/Area Number 26550114
Research InstitutionJ. F. Oberlin University

Principal Investigator

藤倉 まなみ  桜美林大学, 総合科学系, 教授 (30458955)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金子 慎治  広島大学, 国際協力研究科, 教授 (00346529)
藤倉 良  法政大学, 人間環境学部, 教授 (10274482)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords西暦2000年の地球 / 成長の限界 / 米国 / 環境政策
Outline of Annual Research Achievements

著名な環境に関する将来予測である『成長の限界』及び『西暦2000年の地球』が米国のその後の環境政策に及ぼした影響について、文献調査を行うと共に世界資源研究所(WRI)の創設者でありUNDPの事務局長であったガス・スペスや元下院議員のRichard Frandsenなど共に当時を知る米国の関係者8人に対してインタビュ-を実施した。
その結果、『成長の限界』も『西暦2000年の地球』も、後の米国の環境運動家や政治家、企業人の意識を変えることはできたものの、米国の政治を持続可能性に向けて大きく変更することはできなかったことが明らかになった。『西暦2000年の地球』の成果を受けてWRIがロビイングを開始したからこそ、国内環境問題への取り組みが始まったと言う証言は、WRIの元代表2名から得られている。しかし、これは当事者の発言であり、さらなる裏付け調査が必要であると考えられる。また、米国の環境基本法であるThe National Environmental Policy Act (NEPA) は『成長の限界』の発表前に成立したが、その影響は受けているのではないかという発言が得られている。
米国政治を持続可能性に向けて変革できなかったとする理由として、①予測 project と予言 predict の混同、②過剰な技術に対する信頼、③一般の米国人が科学に対して抱いている不信感があり、それに加えて『西暦2000年の地球』が発表されたタイミングの悪さ(直後の民主党から共和党への政権交代)や選挙が控えている米国の政治家の近視眼もあって、経済政策の根本的な変化を誰もやりたがらなかったということが本調査から示唆された。
また、『西暦2000年の地球』に対しては、当時の保守派や産業界が揚げ足取りのような攻撃を加えていたが、これは、現在の温暖化懐疑論者が気候変動の科学を攻撃する手法と類似していることも明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

米国内で『成長の限界』及び『西暦2000年の地球』の著名な将来予測が、政策決定にどのような影響を及ぼしたかがほぼ明らかになった。

Strategy for Future Research Activity

本調査は、主に関係者の証言に基づくものであるので、これを裏付ける文献情報を入手・分析することを試みる。また、平成26年度に実施した、中国の将来予測のセクター別妥当性について、詳しい分析を進める。

Causes of Carryover

米国での文献調査が年度内に完成しなかったので、若干の未使用残が発生した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

米国内での調査を完了させるとともに、中国の将来予測の評価を実施する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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