2015 Fiscal Year Annual Research Report
デザイン心理学的アプローチによる「読ませる医薬品添付文書」の開発
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26560003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小山 慎一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420913)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感性情報学 / 実験心理学 / 消費者行動 / 医薬品・食品 / 情報デザイン / 安心・安全 / 医薬品添付文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき,下記の研究1~3を行った。 【研究1:心理学的手法を用いた精度の高い調査・背景の分析】今年度は学生・主婦を対象に眼球運動計測実験および質問紙調査を行い,添付文書閲読状況を詳細に調べた(河瀬ほか,印刷中;小山ほか,投稿準備中).調査の結果,「商品名」(83%),「用法・用量」(93%),「効果・効能」(85%)などの閲読率は比較的高かった一方,消費者が必ず目を通す記載項目は比較的少数に限られており,項目によって閲読率にばらつきがあることがわかった.また,批判的思考態度尺度との相関から性格的な要因が閲読率に影響している可能性が推測された(小山ほか,投稿準備中).さらに,シンガポール・アメリカ合衆国・日本の医薬品添付文書における記載情報・記載面積・レイアウトを比較した(高橋ほか,2015, 医薬品情報学会).【研究2:添付文書閲読率向上のための「モノ」と「コト」のデザイン】添付文書用のピクトグラムを作成し,理解度調査の結果に基づいてピクトグラムを修正した.さらにピクトグラムを挿入した添付文書を作成し,添付文書の理解度調査および眼球運動計測実験を行った.理解度調査の結果については現在「医薬品情報学」に論文を投稿中である(倉田ほか,投稿中).【研究3:IT を活用した医薬品適正使用の促進】副作用情報を強調したインターネット医薬品販売サイトを試作し,検証実験を行った.その結果,副作用情報の強調は他の医薬品情報の閲読率を向上させることが示唆された.また,同時に行われた質問紙調査では積極的に副作用情報を公開する企業の方が好感度も高くなる可能性が示唆された.以上の結果はIASDR2015(向井ほか,2015年11月ブリスベン,オーストラリア)にて報告され,その後論文投稿の準備を進めている(Mukai et al. 投稿準備中).
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