2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Proposal of Embodied Communication Model on Design Thinking Process
Project/Area Number |
26560016
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大久保 雅史 同志社大学, 理工学部, 教授 (10233074)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 身体性 / 合意形成 / パワースペクトル / 相関 / うなずき |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コミュニケーションにおいて身体動作がどのような役割を果たすかを解明するため、合意形成プロセスを対象としたコミュニケーション計測システムを開発している。本システムを用いて、参加者各自の音声や身振り・手振り・うなずきなどの身体動作を同時計測し、合意形成プロセスにおけるアイディア発想の展開・議論・収斂フェーズとの関係性を検証し、これらの結果から、身体動作の表出と合意形成プロセスとの関係性について検証することを目的としている。 具体的には、発話に同意の意味を示すうなずきは、対話中に同時に起こりやすいとされていることから、対面会話におけるうなずき時の頭部動作の周波数領域におけるパワースペクトルの相関値が高いと推測される。すなわち、相関の強弱により、同意・不同意が推定できる可能性がある。 提案システムでの合意形成実験の結果、10個の会話データにおいて、 頭部動作の周波数領域におけるパワースペクトルの相関値の正の相関の連続区間が100箇所見られた。 この箇所では、 お互いがうなずきを含めた身体動作を行っている場面(73/100)が一番多く見られた。 このことは、 話し手がうなずきながら発言している場面(75/100)が多く見られたことが影響している。 これは、 話し手が自己の発話に納得しながら発言していることが、 聞き手のうなずきを間接的に誘起している可能性がある。 また、 正の相関の連続区間における聞き手の肯定的・否定的・それ以外の発言が共起している身体動作を分類したところ、 肯定的な発言が共起している身体動作の場面(94/100)が非常に多く見られた。 これらの結果から、 正の相関の連続区間では、 話し手と聞き手が同意している可能性が高い。これらのことから提案システムを用いて、合意形成プロセスの解析が可能であり、さらに身体動作と合意形成プロセスの関係性が高いことが示された。
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