2015 Fiscal Year Annual Research Report
居宅介護予防・介護サービス利用者への買い物支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
26560019
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 一志 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (90125394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照井 レナ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30433139)
板東 利枝 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90747338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 介護保険利用者 / 買い物難民 / 生活必需品 / 支援策 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅の介護保険サービス利用高齢者(利用者)を外出不可能な利用者(研究I)と外出可能で自分で買い物できる利用者(研究II)に分け、各々に対する買い物支援策について実証的研究を行った。 旭川市内の地域包括支援センターや介護関連事業所に協力を要請し、研究参加者を募集した。研究IIでは、4名の利用者(実証群)に、毎週1回タクシーで店まで行って買い物をしてもらい、3か月後と6ヶ月後に身体機能、認知機能、QOL、食事の多様性を測定し、研究前と比較した。その結果、握力、歩行機能、QOL、食事の多様性に改善の傾向がみられた。買い物代行利用の2名の対照者では、各種測定項目に変化はみられなかった。 研究Iの応募者がいなかったため、研究II終了後の利用者2名に協力を依頼し、ヘルパーのIT端末操作により、週1回ずつ6か月間、ネットスーパーで買い物をしてもらった。その間、認知機能、QOL、食事の多様性にはあまり変化がなかった。 本研究の結果は、送迎支援により利用者自身が買い物をすることで、要介護度の重度化が防止され、利用者一人当たりの生涯総介護費用が低減される可能性を示唆している。しかし、計画通りに研究参加者を確保できず、上述の効果を充分に証明するに至らなかった。また、介護費用の試算もできなかった。 そこで、当地における買い物支援の現状と課題について、30名の買い物支援関連多職種に、1回3~5名、計7回のグループインタビューを行った(研究III)。逐語録から意味内容の類似性に着目し、「買い物の現状」を4つのカテゴリに分類した。最多は【買い物をすることへのあきらめ、我慢】であり、研究I、IIへの参加に消極的だった背景が伺われた。また「買い物の課題」の5つのカテゴリの中では、【買い物支援は移動から収納までの個別段階の総合支援が必要】が最多であり、利用者の状況に即した柔軟な支援が求められる。
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