2015 Fiscal Year Research-status Report
在室行動と室内環境のローコストモニタリングによる放射暖房のスマート制御
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26560031
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60300513)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 住環境・設備 / 住まい方 / 組み込みシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
住宅における室内のCO2濃度および湿度の変化から在室人数を推定する方法を提案し、自動的に人数を推定するシステムを構築するために電子回路等を用いて試作した装置の動作実験を行った。ここでは特に、人数推定システムの推定精度向上と安定動作のため、親機子機間の通信方法やセンサ規格の見直しを行った。その結果、通信および計測の安定動作は確認できたが、推定精度は充分に得られなかった。 また、放射型暖房設備からの熱放射と快適感との関連性に関する知見を文献調査により整理するとともに、人体への熱放射が不均一となる温熱環境の快適性や印象評価を明らかにするために被験者実験を行った。その手順は、実験室内に熱放射強度が384~444W/srである放射型暖房または対流型暖房を設置し、PMVが-0.5よりもやや上回る温熱環境に60分間曝露した状態で、皮膚温測定および温冷感申告等のアンケート調査を行うものである。被験者の平均皮膚温上昇は、実験開始時点から60分後において、対流型が0.03℃でほとんど見られなかったのに対し、放射型では0.63℃生じた。温冷感申告では、10分経過時を除いたすべての時間帯で、放射型の方が暖かさの度合いが大きかった。快適感申告では、30分経過以降は放射型の方が申告値が大きく、時間経過とともに上昇傾向が見られた。放射型と対流型についての形容詞対に対する評価得点の平均値の差を比較すると、放射型の方が、空間の雰囲気については「迫力のある」「安定」「力強い」「重みのある」印象で、「全体的に良い」という評価、感じられる気分については「楽しい」「居心地の良い」という評価になっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画2年目は、(2)在室人数推定および在室行動予測の自動化、(3)放射暖房の熱放射特性を考慮した効果検証、(4)在室行動計測の空調制御への応用、を挙げており、いずれも概ね達成した。しかし、前年度から繰り越していた(1)在室人数推定方法の推定精度向上は、充分に成果が得られなかったので、次年度も引き続き取り組む。研究計画3年目に予定してあった(5)環境調整行動に関する学習法の開発は、先行して取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、繰り越した(1)在室人数推定方法の推定精度向上とともに、主に(5)環境調整行動に関する学習法の開発に取り組む。
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Causes of Carryover |
国際会議の参加予定を取りやめた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の学会参加費用とする。
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