2015 Fiscal Year Research-status Report
居住環境が人の心身の健康に及ぼす影響-縁側プロジェクトVer.2-
Project/Area Number |
26560033
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
慶徳 民夫 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (00448622)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 居住環境 / 縁側 / 健康 / 自律神経 / ストレス / 生活行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,一般住宅における縁側が居住者の心身の健康に及ぼす影響を明らかにするものです.パラメータとしては,①精神的ストレス負荷の状態を把握するために,持続メモリー心拍計を用いた自律神経系(交感神経,副交感神経)の活動性測定(朝 8時~17時までの連続 9時間),②日常生活行為把握のための質問紙による生活行為聴取(時間,行為内容,行為実施場所),③主観的な気分状態を把握するための気分プロフィール検査第2版(Profile of Mood States Second Edition = POMS 2),の 3種類を用います. 具体的には,縁側設置前後におけるパラメータの比較を行うために,研究協力者宅に約 1坪の縁側を設置しました.あらかじめ,縁側設置前には前記パラメータの測定を行い,縁側設置後約 2~ 3ヵ月後および 6か月後の計 2回,同じく3種類の測定を実施しました(研究協力者のうち 1名の6ヵ月後測定は,28年4月以降に実施).これまで,当初予定していた縁側設置協力者 3名のうち,2名から協力を得ることができました.データの解析は,2名のすべての測定が終了次第実施します. 本来,住まいは人にとって最も安らげる場である必要がありますが,近年,その住まいが逆に精神的なストレスをもたらす環境になる場合もある,という指摘もあります.特に高齢者にとっては,生理的な心身機能の低下による敷居や階段等の段差での躓き・転倒不安や家族等とのふれあい不足等のストレスが考えられます.住宅の内と外との緩衝空間(あいまい空間)という特殊性を持つ縁側が居住者のストレス軽減の一助となり,健康的な在宅生活を継続させる鍵となることを検証します.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定の縁側設置 3件のうち,2件は設置済みです. さらにデータの測定はほぼ終了しており,データ解析を残すのみであるため.
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Strategy for Future Research Activity |
縁側を設置する研究協力者残り 1件については,本年 6月頃まで引き続き募集する. 研究協力者が当該期限までに確保されなければ,研究期間が1年を切っているためすでに終了した 2名のデータ解析で研究結果をまとめることとする.
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Causes of Carryover |
縁側の設置予定 3件のうち,設置できたものは 2件であったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度助成額 400,000円と併せ,残りの縁側を1件設置して,データ測定を行う.
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