2016 Fiscal Year Annual Research Report
Compatibility between storage stability and palatability of dried potato -Hydration and glass transition determining the quality of food-
Project/Area Number |
26560050
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
中川 洋 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, 研究副主幹 (20379598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 干し芋 / 食品と貯蔵 / 食品中の水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、干し芋の水分状態とガラス状態を分子レベルのミクロ構造の観点から明らかにすることを目指している。今年度は、示差走査熱量計(DSC)やフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で干し芋の解析を行った。DSC測定では、-50℃あたりでガラス転移が見られ、このガラス転移温度は水分量の低下により高温側にシフトすることが分かった。またFT-IR測定では、中赤外領域では水のピーク評価を行い、KBrプレート法で測定を行ったところ、3350cm^-1付近にOH基の吸収が得られ、干し芋の水分状態の解析に中赤外領域の計測が有効であることが分かった。また近赤外領域では、スライサーを用いて試料中心部の切片を切り出した試料をCaF2の窓板にはさみ、透過法で測定を行い、自由水と結合水のピークの高さの比を求めた。また同様にして試料中心部の切片を切り出して1日程度乾燥させた後、試料を同様にサンプリングして測定を行い、自由水と結合水のピークの高さの比を求めた。その結果、乾燥前よりも乾燥後の方が、水分子のクラスターが減少したことが分かった。また更に、試料の位置による違いを調べた結果、干し芋の外側は結合水よりも自由水が少なく、中央部にいくにしたがって自由水が増加することが分かった。また同様の測定を一日程度乾燥させた試料に対して行い、自由水と結合水のピークの高さの比を求めたところ、外側と中央部の自由水と結合水の割合には大きな差異はなく、干し芋の全体的に水分子クラスターが減少することが分かった。
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[Journal Article] Inelastic and quasi-elastic neutron scattering spectrometers in J-PARC2017
Author(s)
H. Seto, S. Itoh, T. Yokoo , H. Endo, K. Nakajima , K. Shibata , R. Kajimoto, S. Ohira-Kawamura, M. Nakamura, Y. Kawakita, H. Nakagawa, T. Yamada
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Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta
Volume: 1861
Pages: 3651-3660
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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