2014 Fiscal Year Research-status Report
男性ホルモン減少による唾液タンパク質の質的変化と生活習慣病
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26560065
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
乾 博 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20193568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 直樹 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (00529141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 男性ホルモン / アンドロゲン / アンドロゲン受容体 / テストステロン / 性差 / 唾液 / 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、疫学的な調査により肥満や加齢は男性ホルモンであるテストステロンを減少させること、テストステロンが減少すると、体重増加、糖・脂質代謝の悪化に起因して、糖尿病、心疾患を発症するリスクが上昇し、寿命を短縮させ、老化を促進することが明らかになっている。一方で、糖尿病患者では口腔乾燥を伴い、唾液分泌や組成との関係が指摘されている。本研究では、男性ホルモンと唾液の関係について明らかにすることを目的として研究を行っている。 唾液腺が男性ホルモンの標的器官であるか否かを調べるために、マウスの3大唾液腺における男性ホルモン受容体(アンドロゲン受容体、AR)とテストステロンを生理作用の強いジヒドロテストステロンに変換する5α-レダクターゼ-1、-2の発現を検討した。その結果、ARと5α-レダクターゼ-1は、精巣上体よりは少ないものの雌雄ともに3大唾液腺で発現が高いことが判明した。一方で、5α-レダクターゼ-2の発現レベルは低かった。ARは唾液腺においてタンパク質レベルでも発現が認められた。ピロカルピン塩酸塩による刺激下でマウスより採取した唾液タンパク質を解析した結果、唾液には雌雄差が存在することが判明した。さらに、去勢を行った雄性マウスでは雌マウスと、去勢後にテストステロンを投与すると雄マウス(擬似手術群)と類似した唾液タンパク質のパターンを示すことから、テストステロンが唾液タンパク質の雌雄差に関係すること示唆された。今後、雌雄差が認められるタンパク質について同定を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液に関する性差について見出すことに成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
性差が認められたタンパク質を同定して解析を行う。
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Research Products
(2 results)