2015 Fiscal Year Annual Research Report
男性ホルモン減少による唾液タンパク質の質的変化と生活習慣病
Project/Area Number |
26560065
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
乾 博 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20193568)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 直樹 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (00529141)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 唾液 / 糖鎖 / アンドロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液は,主に顎下腺,舌下腺,耳下腺の3大唾液腺から口腔に分泌される分泌液であり,ムチンなどの糖タンパク質を豊富に含む.顎下腺の顆粒性迂曲部 (GCT) が雄マウスの性成熟期に著しく発達して性差を生じるため,顎下腺はテストステロン (男性ホルモン) の標的器官であると考えられている.本研究では,3大唾液腺の発達と性ホルモン受容体の発現,および唾液量や唾液タンパク質における性差とテストステロンの影響について検討している. 8週齢のC57BL/6J雌雄マウスの顎下腺,舌下腺,耳下腺におけるアンドロゲン受容体 (AR) の発現を検討したところ,ARは3大唾液腺で雌雄ともに高いレベルで発現することが判明した.唾液とテストステロンの関係について検討するために,8週齢のC57BL/6Jマウスを①雄対照群,②雄去勢群,③去勢後テストステロンを投与した群 (雄去勢+テストステロン群) ,④雌対照群に分け,ピロカルピン刺激によって分泌された唾液を解析した.顎下腺の重量と比例して,GCTが去勢により雌対照群と同程度まで縮小するのに対して,去勢後テストステロンを投与した雄マウスでは雄対照群と同程度まで大きさが回復した.舌下腺,耳下腺の重量に関しては群間で差はなかった。体重あたりの唾液量に関しては群間で明瞭な差は認められなかった.一方で,唾液糖タンパク質では,雄去勢群では雌対照群と同様のパターン,さらに雄去勢+テストステロン群では雄対照群と同様のパターンの糖タンパク質が存在することが判明し,さらに,その一部を同定することができた。
|
Research Products
(3 results)