2015 Fiscal Year Research-status Report
個体発生における骨形成過程の追跡と妊娠期のカルシウム欠乏がおよぼす影響の解析
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26560068
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 容子 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (70251501)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨形成 / 発生 / 染色 / マウス胚 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎児の骨形成は、発生の中でもある一時期に集中して起こるが、その詳細については明らかにされていない。本年度は、骨・軟骨染色法をマウス初期胚に応用し、個体発生にともなう骨形成過程を追跡した。 胎生13日から生後2日(E13-P2)のマウス胎仔・新生仔を、10 %ホルマリン液中で保存した。リン酸緩衝液中で内臓を取り除き、50 %エタノール、100 %エタノールに置換した。100 %エタノールを軟骨染色液(100 %エタノール80ml、氷酢酸20 ml、アルシアンブルー1 mlの割合で混合)に置換し、軟骨を青く染色した。軟骨染色液を抜き取り、95 %、50 %、20 %エタノール、四ホウ酸ナトリウム飽和水溶液に置換した。四ホウ酸ナトリウム飽和水溶液をトリプシン液に置換し、タンパク質を溶解させた。トリプシン液を硬骨染色液(0.5 %水酸化カリウム溶液100 ml、アリザリンレッドS 2 mgの割合で混合)に置換し、硬骨を赤紫色に染色した。硬骨染色液を0.5 %水酸化カリウム液に置換した後、濃度の低いグリセリン液から濃度の濃いグリセリン液に順番に浸し、最終的に保存液(グリセリン100 ml、チモール25mgの割合で混合)に置換し、保存した。 硬骨が形成される発生段階は部位によって異なり、最も早い部位で胎生14日(E14)から形成されることがわかった。骨形成は、下顎・鎖骨で最初にみられ、頭蓋骨の形成は、前頭部、頭頂部・側頭部、後頭部の順で生じること、手指、足指などの末端組織は、他の部位と比べると硬骨の発生時期が遅いことなどが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の鶏胚に引き続いて、哺乳類胚での解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
鶏胚とマウス胚のデータを比較解析するとともに、病態解析へと進む。
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Causes of Carryover |
残額が少額であったため、次年度の支給額と合わせて有効利用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度購入予定の物品費にあてる。
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