2016 Fiscal Year Annual Research Report
Bone development and the effect of Ca2+ deficiency during the pregnancy
Project/Area Number |
26560068
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 容子 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (70251501)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨形成 / 発生 / 染色 / マウス胚 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎児の骨形成は、発生の中でもある一時期に集中して起こるが、その詳細については明らかにされていない。本年度は、マウス初期胚における骨形成過程について、その詳細を追跡した。 E13~E18の胎仔、P0~P2の新生仔(Eは胎生日数、Pは出生後日数を)を10 %ホルマリン液中で1週間~5ヶ月保存した。その後、胎仔・新生仔をシャーレに移し、リン酸緩衝液(0.1M、pH7.4)中で内臓を取り除いた。E13、E14の一部の標本では、標本の形をきれいに保つため、内臓の除去を行わないか、肝臓のみを取り除いた。 マウスでは、E13までは硬骨が染色されず、E14から染色が確認できたことから、硬骨の発生は、最も早い部位でもE14からと考えられた 。E14では、5例中4例で下顎、鎖骨が染色された。他にも、前頭部、上腕の染色が5例中3例、肋骨、肩甲骨の染色が5例中2例で認められ、1例では、側頭部、上顎、前腕、大腿にも明瞭な染色が認められた。E15では、8例中1例のみではあるが、E14では染色のみられなかった頭頂部、脊柱の頸部、胸部で、新たな染色が認められた。E16で後頭部、下腿、寛骨、脊柱の腰部、E17で上肢の中手骨、E18で上肢の手指、下肢の中足骨、足指が初めて染色され、これらの時期に、それぞれの部位での硬骨形成が始まると考えられる。 これらのことから、マウスでは、脊柱の形成は、頸部・胸部、腰部の順で生じ、上肢の形成は、上腕・前腕、中手骨、手指の順、下肢の形成は、大腿、下腿、中足骨・足指の順で生じることがわかった。手指や足指などの末端組織は、硬骨の発生時期が他の部位と比較して遅いということがいえる。これらの結果から、マウスにおける骨形成は、頸部を中心に頭側から尾側へ、また体幹を中心に四肢の近位から遠位に向けて進むことが明らかとなった。
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