2015 Fiscal Year Research-status Report
RNAメチル化制御食事性因子の同定ならびに胎児への影響の解明
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26560076
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
河合 智子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (40423404)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RNAメチル化 / 胎盤 / 出生体重 / 子宮内栄養環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子が機能する過程における転写後調節の一つとして、近年RNAメチル化修飾の有無を介したmRNA安定性調節並びに翻訳調節が新たな調節機構として注目されている。RNAメチル化修飾は、次世代シーケンサーの登場により、2012年に網羅的な解析が続けて報告され、以後もマウス組織やセルラインを用いた報告がこれまでに発表されている。 我々は、本研究においてヒト胎盤組織におけるRNAメチル化修飾に注目している。その理由は、胎盤組織におけるRNA脱メチル化酵素(FTO)の発現量と出生体重に相関がみられるという報告がなされていたためである。しかしこの報告が出た時点では、論文著者らも含めFTOを肥満関連遺伝子として着目しており、FTOにRNA脱メチル化酵素作用があることは翌年に発表された。 そこで本研究では、胎盤のRNAメチル化制御に注目し、まずは我々が回収した胎盤検体においても、FTO発現量と出生体重に正の相関がみられることを確認した。次に我々は、メチル化修飾の標的となるmRNAを同定する実験系を立ち上げた(MeRIP-Seq)。この系を用いて、ヒト胎盤組織においても、RNAメチル化修飾は遺伝子内の終止コドン周辺に高頻度に存在することを明らかにした。全体の傾向として、ゲノムワイドなRNAメチル化修飾の胎盤における個人間の相関は0.841から0.945であった。なかでも出生児の当該週数に対して低体重であった新生児の産後胎盤では、多検体と相関が低い傾向を示したため、出生体重に関連する特有のRNAメチル化修飾を持つ遺伝子が存在する可能性が示唆された。今後はこのような遺伝子を同定し、子宮内の栄養環境に影響される本制御の標的を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択年度内に、産前産後休暇並びに育児休暇を取得したため、当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに解析対象の検体を増やし、子宮内栄養環境、ならびに、出生体重と関連して整除を受けるメチル化修飾の標的遺伝子を同定する。 また、胎盤絨毛のセルラインを用い、様々な栄養環境に暴露した時RNAメチル化修飾に変化を示す遺伝子を同定する。
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Causes of Carryover |
H26年度は7月中旬より年度末まで、産前産後休暇並びに育児休暇を取得していたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の実験物品費、ならびに、成果報告として学会参加費と旅費に充てる。
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[Journal Article] DNA methylation analysis of human myoblasts during in vitro myogenic differentiation: de novo methylation of promoters of muscle-related genes and its involvement in transcriptional down-regulation.2015
Author(s)
Miyata K, Miyata T, Nakabayashi K, Okamura K, Naito M, Kawai T, Takada S, Kato K, Miyamoto S, Hata K, Asahara H.
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Journal Title
Human molecular genetics
Volume: 24
Pages: 410-23
DOI
Peer Reviewed
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