2014 Fiscal Year Research-status Report
伊達政宗が奨励した「食べられる庭」をモデルとした学校ビオトープの構築
Project/Area Number |
26560078
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
溝田 浩二 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 准教授 (00333914)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食べられる庭 / 学校ビオトープ / 環境教育 / 食教育 / 防災教育 / ESD |
Outline of Annual Research Achievements |
仙台藩初代藩主・伊達政宗公は、天災や飢饉に備えて、武家屋敷内で果樹の植樹や菜園づくりを、屋敷まわりでは用材・燃料材の植樹を奨励した。当時の仙台城下町には“一木一草、無駄なものなし”と形容されるほど暮らしに必要なものと結びついた自給的な空間―「食べられる庭」―が形成されており、これが現代にもつながる「杜の都・仙台」の礎となった。本研究の目的は、約400年前に伊達政宗公が奨励した「食べられる庭」をモデルとして、自然と調和した自給的な暮らしの知恵や技術を導入した学校ビオトープを構築することである。構築された学校ビオトープを舞台に体験的な環境教育、防災教育、食教育を中心としたESD(持続発展教育)を展開し、最終的には、学校ビオトープのネットワーク化を促すことで現代版「杜の都」再興(=持続可能な地域づくり)に寄与することを目指す。1年目にあたる平成26年度は、以下の3点に焦点を絞って研究を進めた。 (1) 「仙台藩の街づくり」に関する歴史資料・文献の網羅的な蒐集を試み、杜の都・仙台の成り立ち、藩政時代の杜の都の様相、そこで営まれていた自然と調和した自給的なライフスタイルを探った。(2)杜の都・仙台の原形をつくった歴史的遺産(青葉山原生林(御裏林)、屋敷林(居久根)、四ッ谷用水、貞山堀など)についてフィールド調査を行い、自然と調和した自給的な暮らしを可能にした背景を探った。(3)武家屋敷の庭畑や屋敷林(居久根)にみられる「食べられる庭」を復元し、自然と調和した自給的な暮らしの知恵や技術を内包した学校ビオトープモデルとしての「食べられる庭」の構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集および分析、環境教育・食教育・防災教育の実践、ビオトープモデルの構築など、当初予定していたスケジュールどおり順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の2点に焦点を絞って研究を進めていく。 (1)前年度に引き続き、宮城教育大学青葉山キャンパスに“学校ビオトープモデル”としての「食べられる庭」を構築する。ビオトープの維持・管理を行いながら、宮城教育大学の学部学生を対象にした環境教育・防災教育・食教育を中心としたESD(持続発展教育)を展開する。授業実践後は受講者へのアンケート調査を行い、「食べられる庭」を復元した学校ビオトープの評価・検討を行う。 (2)研究成果を総括する形で、「杜の都」の再興(=持続可能な地域づくり)」に求められる基本的な考え方や技術指針をガイドラインとしてとりまとめる。また、仙台市環境局などと連携して、「食べられる庭」をテーマにした学校ビオトープの普及とネットワーク化に取り組む。
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Causes of Carryover |
歴史資料の収集・整理が順調に進展し、人件費が当初の予定よりも少なくすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降はビオトープの構築および維持・管理により多くの人件費が必要となるため、そこで次年度使用額を使用したい。
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