2014 Fiscal Year Research-status Report
太陽物理教育のための複数波長観測可能な自作分光器の開発
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26560079
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
野澤 恵 茨城大学, 理学部, 准教授 (10261736)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽分光器 |
Outline of Annual Research Achievements |
現状の太陽自作分光器の改良を中心に進めた。特に迷光が多いため、吸収線の深さが参照すべき値に比べて大きく(明るく)なっていた。そこで、内部の塗装や光が入り込まないよう、隙間を塞ぐなどの改良を行うことで、迷光を12%程度から8%まで低減が可能となった。 また、分光器の心臓部である回折格子部の取り付けが不安定であったため、観測準備に非常に時間がかかっていた。そこで、回折格子部の取り付けに新しい部品(ゴニオステージ)を使用した。これにより不安定な固定でなくなり、観測が非常に容易となった。また角度調整を細かくすることができ、観測する波長の合わせが容易となった。この改良により、黒点温度の導出が可能となり、比較的予想に近い温度を求めることが可能となった。 これらの改良を踏まえ、専用分光器の設計を行った。最初から迷光を抑える対策を取り、またゴニオステージを取り付ける回折格子部の設計を行った。またスリット部との整合性との検討も行い、次年度に専用分光器の製作ができる目処が立った。そこで、国立天文台の先端技術センターに共同利用の申請を行い、設計を行った分光器の製作を行う予定である。 コロナ観測に関しては、自然科学機構の共同利用で乗鞍観測所で観測を行う予定であったが、悪天候のため上山さえ困難となり、観測は不可であったが、来年度に再観測の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状の分光器の改良:概要にも書いたが迷光対策、回折格子部の改良と固定などにより、慣れが必要でなくなり、容易な太陽の分光観測が可能となった。しかし、長時間の観測による、熱による分光器の伸縮や光路の曲がりなど、また焦点のズレなどの問題を解決する必要がある。また分光による太陽観測データの解析用ソフトウエアは十分でないため、開発が必要である。 専用分光器の設計:3D CADソフトウエアの習得を行い、専用分光器のためのパーツの設計を行うことができ、製作の専門家との交渉ができる段階に達した。そこで、国立天文台の先端技術センターに共同研究の申請を行い、採択された。これにより天文用の観測機器に非常に詳しく、製作や加工の専門家との議論が可能となり、また今年度中の専用分光器の作成への道筋がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の分光器の改良よりは、専用分光器の製作に注力を注ぐことを第一の目的とする。実際の太陽観測は専用分光器が主になるため、上に挙げた熱膨張や焦点のズレなどの対策は、製作後のバーツで行う必要がある。このため、国立天文台の先端技術センターの共同利用を用いて、専門家との議論により、上記の対策を講じたパーツの設計の改良が必要となると予想されるが、一旦製作に入れば短期的に完成品の入手が可能だと考えている。同時に過去に取得した分光による太陽観測データの解析用ソフトウエアの開発を行い、専用分光器の完成と同時に研究のための解析が可能な状況を作る予定である。 また観測を無人化する研究も並行して行っており、この専用分光器もできるだけ無人化して稼働できるようなシステム構築を外部の研究者と議論を行う予定である。そして最終年度には、新型の専用分光器で常時太陽観測が可能となるようなシステム作りを目指す。
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Research Products
(1 results)