2015 Fiscal Year Research-status Report
太陽物理教育のための複数波長観測可能な自作分光器の開発
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26560079
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
野澤 恵 茨城大学, 理学部, 准教授 (10261736)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽分光器 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に国立天文台の先端技術センターの共同利用の公募に申請し、採用となった。これにより、昨年度までに作成していたCADによる専用分光器の設計を、光学の専門のスタッフと議論することにより、より高い性能を目指す設計を今年度末までに行うことができた。現状ではまだ製作までには至っていないが、来年度の早くに製作を行い、夏ぐらいまでに試験観測が可能になる予定である。 特に今年度は、分光器の性能評価を中心に研究を進めた。先行研究では太陽観測にもとづいて波長分解能や迷光を測定していた。それに対し今年度はHe-Neレーザーを使用した再現可能な暗室実験での測定を行い、より信頼性の高い結果を得た。例えば波長分解能は今まではレイリーの基準にもとづき、太陽観測で取得したスペクトル画像から最も近接した2つの暗線を目視で探して測定していた。しかし、今年度は暗室実験を行い輝線の半値全幅から波長分解能を測定し、厳密な測定数値を得た。 コロナ観測については、今年度は天候の状態が悪く、乗鞍観測所等の観測は断念せざるを無かった。しかし来年度に再観測に向け、機器の調整等を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定では二年目終了までに専用分光器の製作となっていたが、今回は国立天文台の先端技術センターの共同利用の公募が認められた。これにより光学の専門のスタッフと議論することができ、製作後の調整に時間を割かかずに、今年度の製作後に試験観測が可能だろうと考えている。多少遅れてはいるが、本格的な観測を冬に行うことを予定している。また性能評価に関しても進め、その評価方法の確立が可能となった。これにより、製作された専用分光器の性能評価を簡便に行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
製作後の専用分光器の位置付けとして、大学間連携で進めている太陽地上観測網の一部として活用することを考慮にいれ、研究を進めている。特に観測方法については、無人稼働を目指し、常時太陽観測を行うための、架台や観測施設の検討を含めたシステム作りについての議論を行う。また、小型で汎用を目指しているため、乗鞍観測所等での外部での観測についても行う予定である。
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