• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

環境教育の視点を伴った小学校教材としてのミジンコに関する基礎的研究および教材開発

Research Project

Project/Area Number 26560090
Research InstitutionHyogo University of Teacher Education

Principal Investigator

笠原 恵  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20243347)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsミジンコ / 小学校プール / 教材開発 / 環境教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,小学校理科5年生の”水中の小さな生物”の教材として取り上げられているミジンコに着目し,実感を伴った学習が推進されるような教材開発を行うことを目的としている。
昨年度は,ミジンコの入手先としての候補である小学校のプールにおけるプランクトン調査を行い,ミジンコ(Daphnia pulex)を採取した。今年度も引き続き同様の調査を行ったところ,カイミジンコは採取できたものの,目的のミジンコ属は採取できなかった。このことから,小学校プールでは,毎年同じようにミジンコ属を得ることは難しいということがわかった。
次に,昨年度確立したミジンコの飼育条件をもとに,兵庫県内の池で採取したミジンコと国立環境研究所から分譲していただいたオオミジンコ(コントロール)を使って,飼育温度や日長条件を変えて,産仔数,雄の産出,休眠卵の産出などを調べた。その結果,15℃,20℃,25℃の温度条件を比較したところ,ミジンコは,約1ヶ月間での総産仔数は20℃が最も多く,7回の産仔回数で約100匹の仔虫を産出した。雄の産出に関しては,20℃および15℃短日(8時間明:16時間暗)の条件が雄産出の割合がと高かった。休眠卵に関しても,20℃および15℃短日,暗条件での割合が高かった。さらに,幼若ホルモン類似体のフェノキシカルブの飼育水への添加により約20%雄の産出が誘導されることもわかった。しかし,オオミジンコで報告されているほど雄の割合は高くなかった。
また,これらの実験はミジンコを1匹で飼育し3回の繰り返し実験を行った結果であるが,その中で注目したのは,雌のみでも休眠卵を産出することが複数回あったことである。この結果は,今後の教材開発の方向性に関わる現象である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度の研究計画は(1)小学校プールにおけるプランクトン調査と(2)ミジンコの雄誘導および休眠卵誘導条件の検討である。小学校プールでのプランクトン調査は,地域を考慮しながら継続して行うことができている。また,(2)に関しても,兵庫県内の池で採取したミジンコを使って条件検討を行うことができた。学校現場での飼育条件の検討も行っており, これまでのところ順調に研究を実施できている。
しかし,当初予期していなかったこと(日本に生息するミジンコは絶対単為生殖を行う)が報告されたため(Mika So et al. (2015) Invasion and molecular evolution of Daphnia pulex in Japan.Limnology and Oceanography Vol. 60, pp. 1129–1138), これまでの実験に使用してきたミジンコについて,詳細なタイプを知る必要が生じている。

Strategy for Future Research Activity

当初予期していなかったことが報告されたため,まず研究材料がどのタイプのミジンコに属するのかを解析する必要がある。その結果によっては,Daphnia pulex ではなくDaphnia similis への変更も検討していく必要がある。
その場合,Daphnia similis のライフサイクルの基礎的研究も行う必要がある。そして,絶対単為生殖であるミジンコについては,休眠卵からの孵化条件の検討を行っていく予定である。
また,小学校プールのプランクトン調査についても継続して行う予定である。

Causes of Carryover

消耗品等の見積もり価格と納入価格との差により生じた金額である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の消耗品費として使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 小学校プールにおける水生生物の動向調査と教材化の検討2015

    • Author(s)
      吉田 愛美, 山野井 昭雄, 渥美 茂明, 笠原 恵
    • Journal Title

      兵庫教育大学学校教育学研究

      Volume: 28 Pages: 107-111

    • Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 小学校のプランクトン教材として扱うミジンコの種についての検討2016

    • Author(s)
      笠原 恵・工古田 伊代・横山 美奈・渥美 茂明
    • Organizer
      日本生物教育学会
    • Place of Presentation
      東京理科大学 神楽坂キャンパス
    • Year and Date
      2016-01-10 – 2016-01-11
  • [Presentation] 高等学校生物におけるPCR法教材の開発 ―身近な生物を用いたサンプル採集からプライマー設計まで―2016

    • Author(s)
      工古田 伊代・渥美 茂明・笠原 恵
    • Organizer
      日本生物教育学会
    • Place of Presentation
      東京理科大学 神楽坂キャンパス
    • Year and Date
      2016-01-10 – 2016-01-11
  • [Presentation] 小学校における簡易ミジンコ飼育法に関する研究2016

    • Author(s)
      三木 美奈・工古田 伊代・渥美 茂明・笠原 恵
    • Organizer
      日本生物教育学会
    • Place of Presentation
      東京理科大学 神楽坂キャンパス
    • Year and Date
      2016-01-10 – 2016-01-11

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi