2015 Fiscal Year Research-status Report
学校教育におけるハンダ付け実習の鉛フリー化に関する研究
Project/Area Number |
26560094
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
武藤 浩二 長崎大学, 教育学部, 教授 (30311096)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 鉛フリーハンダ / ハンダ付け実習 / プリント基板 / 教員免許状更新講習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 平成26年度に実施した中学校における授業実践結果の基板解析及びデータ分析を行い,次のことを明らかにするとともにその成果を発表した. (1) ハンダ付けの良品率は全体で88.8%であり,6割以上の生徒が評価対象ポイント全てに対して全数良品であった.一方,評価対象ポイント全てが不良であったのは180名中わずか4名であった. (2) ハンダ付け不良の状況を分析したところ,8割以上が天ぷらハンダであり,接合すべき部品をハンダごてで十分加熱できなかったために生じたものであることが判明した.また基板配線パターンの剥離を起こした状況をみたところ,こて先が酸化して黒くなった状態のまま用いたためにハンダが十分溶けず,加熱しすぎたために剥離したものと推定できた. 2. 平成26年度に実施した授業とは異なる学校・教員に依頼してハンダ付け実習授業を実施し,練習基板を回収して解析用データを取得した.対象は中学2年生200名である. 3. N市内の中学校技術教員30名に対し聞き取り調査を行った.これに基づき鉛フリーハンダに関する講習の必要性とその際に使用する教材についての方向性を明らかにして,教員免許状更新講習の立ち上げを行った.また聞き取りの結果,鉛以外の規制物質についても今後検討する必要があることが判明した. 4. 平成26年度に引き続き企業・大学における鉛フリーハンダ付けについて聞き取り調査を実施するとともに,電子回路製作に多くの実績を有する大学教員と平成26年度に試作した教材基板とその結果について意見交換を行った.その結果,ハンダごての温度管理とこて先の状態管理をしっかりすることが重要であるという点で意見が一致し,実習において留意すべき事項の抽出ができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に取得した研究授業データの解析・分析を完了するとともに,新規の研究授業実施により追加データを取得できている.また,教員を対象とした講習(教員免許状更新講習)とその教材の設計を行い,実施に必要な手続きを完了している.
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度に取得した追加データの詳細分析を行いこれまでの成果を学会等で発表するとともに,教員を対象とした研修を教員免許状更新講習として試験的に実施する. あわせて中学校における授業実施要領について引き続き検討をすすめ,研究授業を通じて実施要領の確立を図り,教育現場へのフィードバックを図る.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,研究授業等で使用する部品購入で差額が生じたためである.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額は,研究授業等用の部品購入に充当する予定である.
|
Research Products
(1 results)