2014 Fiscal Year Research-status Report
パターン把握を通して環境リテラシーを高める現職教員研修プログラムの作成
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26560099
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
小椋 郁夫 名古屋女子大学, 文学部, 講師 (30707865)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境リテラシー / パターン把握 / 野外学習プログラム / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一回目の会議(8/29~9/1)では、教師にとって必要な「環境リテラシー」の枠組みの検討を「パターン把握」と関連づけて考えるとともに、長良川上流の郡上市から中流の岐阜市に至るまでの4カ所にて、河川における教師用の野外学習プログラムの作成の試案を作成した。「環境リテラシー」とは「①野外で実物を知覚的に認識できる科学的能力や態度を身に付けていること、②自然環境の変化を認識できる科学的能力や態度を身に付けていること、③自然と人間の関わりについて認識できる科学的能力や態度を身に付けていること」の3点である。今回の研究では、これらを「パターン把握」の技法、すなわち、「①比較・観察が可能な事象、②関連性を持つ事象、③変化を読み取ることができる事象などの自然事象について、諸感覚を生かした自然体験学習を通して、そこに見られる事実や関連性の発見・比較・類推などの活動を行い、自然の変化に関する科学的知識や概念を獲得し、思考力を高める」という技法によって身に付けさせていくことを検討・確認した。また、学習プログラムの主な観察内容は自然景観、河原の植物相、岩石、水質、水生昆虫等であることとした。第二回の会議(11/21~11/23)では、それぞれの考えた学習プログラムを現地で交流して、内容について討議した。「パターン把握の観点による河川周辺の自然の観察」、「流域の違い(上流・中流・下流)による水生昆虫の変化の観察」、「流域の違いによる植物の観察」、「流域の違いによる生物相の変化と水質の関係」、「携帯端末を使った河原の礫の観察」など、多様な実習方法の交流を行った。また、野外だけでなく博物館を活用した研修プログラムの作成も行うことから、対象を岐阜県博物館として協力者全員が館の見学を通してそれぞれの得意分野でどのような内容を研修させるのかについても考え 交流した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年間2回の研究協力者との会議を通して、課題について会議での内容検討・確認および現地での実習で各研究協力者が自分のアイデアを持ち寄り、野外学習プログラムの内容の検討を重ねることができた。また、研究者は2回の学会発表と1回の国立科学博物館の見学により、研究の進捗状況を発表したり、指導者に指導を仰ぐなど精力的に研究を継続していくことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した野外学習プログラムに関しては、平成27年度内に現地での教員対象の実習を行い、さらに内容を検討する。博物館プログラムについては、9月中旬に行われる特別展に向けての学習プログラムの作成を行い、開催時期に実習を通して内容の検討を行っていく。どちらの実践もキーワードである「環境リテラシー」と「パターン把握」との関連を基盤として研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
残額が少なく、年度末に購入できる使途がない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度額と併せて、物品費で使用する。
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Research Products
(2 results)