2014 Fiscal Year Research-status Report
ロボット集団パフォーマンスによる石見神楽演目の表現
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26560108
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
門脇 健 松江工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (60152766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 肇 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (70249837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ものづくり / 伝統と文化 / 科学教育 / 石見神楽 / ロボット / 公開講座 |
Outline of Annual Research Achievements |
子ども達に、石見神楽をロボットパフォーマンスさせるためのベースとなるマイコンプログラミングの自動車型ロボットを開発した。石見神楽の演目を与え、ストーリーを単純化させ、ナンバリングでステップ状のロボット行動を作成し、「前進」、「後進」、「右旋回」、「左旋回」、「待機」の5つの単純動作の組み合わせで、「神」と「鬼」の対峙を表現できるように動きを考えさせてパフォーマンスさせるものである。石見神楽の演者の雰囲気を出すために、これに紙コップ等で創作した石見神楽人形を乗せた。 この手法を用いて、島根県東部の出雲地方においては、「松江高専」で、西部の石見地方では、「浜田市世界こども美術館」で、2014年12月に「手作りロボットによる石見神楽演舞コンテスト」と題した公開講座を実施した。主に小学生の児童約30名の参加を得た。この公開講座において創作した石見神楽人形は、2014年2月~3月に同美術館で開催された、「石見神楽と浜田の伝統展-なつかしの国のたから-」にコーナーを設けて展示された。多くの来場者に見て楽しんでもらった。同展示の最終日に行われた「浜田の伝統文化フェスティバル」においては、ロボット工作のワークショップを実施して、本手法でロボットパフォーマンスを参加した児童に楽しんでもらった。ワークショップや公開講座においては、石見神楽の38演目に登場する約200の登場人物をイラスト化したカードを、公募のポスター、配役、対戦の組み合わせ、ゲームの進行等に有効利用した。作成したイラストカードは、今後の展開として、石見神楽カードゲームの開発に繋げて、子ども達に伝統芸能とものづくりに興味を持たせる手法としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子ども達に、「伝統と文化」、「科学技術」の両方に興味を持たせる新たな手法を考案して、公開講座実施に結び付けることができた。実施後のアンケート結果からは、ほとんどの子どもが、「ものづくり」と「石見神楽」に興味を持ったことが伺われた。また、このスピンオフとして、浜田市世界こども美術館で開催された石見神楽関連の展示会で、子ども達が創作した芸術的な石見神楽人形を展示し、多くの来場者に、ものづくりの楽しさを感じてもらえたと考えられる。また、他のワークショップでの工作教室実施にも繋がった。
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Strategy for Future Research Activity |
石見神楽の実際の演者のしぐさをモーションキャプチャで撮影分析することで、その特徴を抽出したい。これをパフォーマンスロボットの動きに反映させること、しぐさを取り入れたダンススポーツ化に繋げたい。 ロボットパフォーマンスにおいて、石見神楽の独特のリズムや照明と同期させたステージパフォーマンスが実行できれば面白いと考えられる。日本全国の他の地域での伝統芸能のロボットパフォーマンス化も検討したい。 本手法を用いて、和歌の情景表現に展開できると考えられる。恋愛ストーリーとファッショに興味を持っている女子中高生を対象にして、恋愛を題材とした歌の多い百人一首などの和歌の「無形」の情景を「有形」なテクノクラフト(マイコンとサポートパーツを用いた手芸造形物)でパフォーマンス表現させることで、マイコン制御に興味喚起させて、理系進路選択支援の一助にできると考えられる。
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Causes of Carryover |
石見神楽演者のしぐさ撮影が未実施のため、人件費・謝金の支出がなかった。 論文投稿未実施のため、その他支出がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
石見神楽演者のしぐさ撮影を実施したい。演者への謝金として使用したい。 公開講座の第2弾イベントを実施予定であり、講師の謝金として使用する予定である。 論文投稿料として使用予定である。
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