2015 Fiscal Year Research-status Report
看護組織の知識創造における考え方の語りによるリーダー育成法の実証
Project/Area Number |
26560118
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧 寛和 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 学長 (10304180) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | メタ認知 / 教師教育 / オントロジー工学 / 教育工学 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
病院組織と連携して,実際の看護の振り返りの指導を実施した.具体的には病名の告知に関する振り返りにおいて「指針の記述の中に判断的な記述が含まれている」問題を見いだし,原因として「判断(決定したこと)と指針(その理由)を分けて考えられていない」を同定した.さらに「2段階に分けて考えることで、根源的な葛藤を見つけようとしています.このスキルを身につけるためには、どう決めたか?となぜ決めたか?という問いをペアにして考えるとよい」を助言し,効果「悩みの本質の指針が明確になり,解決法の想起がしやすくなります」といった示唆を認めた.この他にも,新人教育の振り返りにおける「対立する二つの思考が明確になっていない」問題指導や,家族の希望に関する振り返りの「複数の問題を一度に考えているために,問題の本質が明確になっていない」問題,QOLの振り返りの学習目標の指導,医療者間の方針の違いをめぐる振り返りの「論証に使われていない(根拠として参照されていない)言及が多い」問題を分析した.これらの分析は,ウェブ・アプリケーションとして実装した「講評支援システム」を通して,研修の度に過去の個々の指導と比較・吟味し,体系化した.最終的にシステムは講評文を生成し,これを印刷して研修2日目の議論前に受講生へ配布して講評を行った.このように指導者の講評活動に沿って,指導語いの概念体系を構築できた.しかしながら,それでも指導者による体系の吟味の負担は大きく,常に整合性を確認できるような仕組みが求められる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
連携する病院で4回の研修の実施を通して指導の収集および分析ができており,計画通りに進捗しているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
計画通り,引き続ぎ,看護現場の指導を調査・分析する.分析結果を通して指導リポジトリを設計・開発する.
|
Research Products
(9 results)