2015 Fiscal Year Annual Research Report
KWMを用いたラーニング・アナリティクス的教育実践サイクルの開発
Project/Area Number |
26560123
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
Jahng Doosub 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (70226356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Key Words Meeting / ラーニング・アナリティクス / 教授学習支援システム / 教育実践サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
Key Words Meeting(KWM)は,授業内容の伝達状況をもとに教授・学習の支援を行うICTシステムである.本研究の目的は,ICTとラーニングアナリティクスを用いた効果的な教育実践サイクルの開発とその効果の検証である.平成27年度は,中学1年次数学(3学級83名)と理科(1学級20名)の教科において,KWMを用いた教育実践サイクルを行った.KWMを用いた教育実践サイクルは,①教員が事前に授業のキーワードを準備,②複数のまとまった単元が終了した段階で教員のキーワードを確定,③その次の授業時間内で生徒が学習状況を報告,④教員がKWM上で生徒にフィードバックを行うという流れで実施した.このサイクルで得られたキーワードの記憶状況と定期考査の結果との関連性について分析を行った.また,全授業終了後にはKWMを用いた教員に対して半構造化面接調査を行った. キーワードの記憶状況と定期考査の結果との間には正の相関が認められた.ICTやラーニングアナリティクスを用いた教育実践サイクルのメリットは,教員に生徒一人ひとりの授業内容の理解度(学習成果)を把握するための情報が素早く提供され,教員がその状況に応じた手だてを工夫できることにある.キーワードの記憶状況が低い生徒に対して,教員が授業後にフィードバックを行うことは,授業内容の基礎的・基本的な知識や技能の定着を図ることにつながると考えられる. 半構造化面接調査の結果からは,KWMを通して生徒からの質問が出るようになったこと,教員自身の授業を振り返るきっかけになったことなどが挙げられており,KWMによって可視化された生徒の学習状況は,生徒に対する教員の理解を深めることや,教員自身の授業改善情報として活用されていたことがわかった.
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