2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26560130
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土井 範子 東邦大学, 医学部, 助教 (00246729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーター / バイオメタル |
Outline of Annual Research Achievements |
医療人への育成には、基礎科目として生体内の構造を学ぶことが必修である。しかし、動きのある生体は、平面的な媒体だけの教材もしくは、静止したモデルでは動的な機能を理解しがたい問題が残る。そこで、本研究は、動きのあるモデルを作成し生体構造の理解を深める教育ツールの作成に向けたモータを利用せずに生体のようなしなやかな動きを作るための仕組みを作るための基礎段階の検討である。本年度は動きを作る要となるバイオメタルの、特性の検索であり、支持体になる樹脂との適合性を検索することも課題の一つである。 バイオメタルは、電流による発熱で金属が収縮する特性をもち、電流量と発熱は相関するため、収縮力も電流量に依存する。目的とする生体の俊敏な動きを作るためには、急激な金属の温度変化が必要であり、そのために、高電圧をかける必要であることが分かった。一度にバイオメタルに負荷をかけると金属が摩耗してしまうこと、支持体とする樹脂は熱耐性の高いシリコンを利用しているが、生体の柔軟性の特性を持つシリコンの種類は限定されるため、今回の高電圧の環境の設定は利用したシリコンにとっても変性を伴うものになっていることが分かった。また、柔軟性の高いシリコンを利用した筋肉モデルの作成の基礎段階として、バイオメタルの周囲に樹脂を充填したモデルを作成し、収縮力の検討を行ったが、利用したバイオメタルの収縮力でシリコンを収縮させるためには、高電圧が必要であり、バイオメタル、シリコンの両方が変性してしまうことが分かった。 今後、別素材のシリコンの利用や構造の工夫について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
バイオメタルの特性が予想以上に、限定された環境や条件を整備を必要とし、本目的の利用に最適条件が見つけられていないため、次の段階の造形について検討する段階に移行できていない。昨年度は造形についても検討を予定していたが、素材の選択によって購入3Dプリンターを検討しなくてはならず、条件検索に進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンターによる造形技術の検討と並行してバイオメタルの最適条件を模索検討する予定である。
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Causes of Carryover |
造形のための3Dプリンターの購入を予定していたが、造形検討まで進行せず、購入できていないため、差が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3Dプリンターの購入と造形のためのDATAの獲得(生体画像DATA)を予定している。
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