2016 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of biological model simulator by 3D printer
Project/Area Number |
26560130
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
土井 範子 東邦大学, 医学部, 助教 (00246729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレータ / 3Dプリンター / 造形作成 / 心臓 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体の構造と動き、機能を学ぶことは、複雑で理解しにくい。教育ツールの臓器モデルは既製の正常構造モデルが一般的で、疾患を学ぶためには費用がかかる。本研究は、生体のCTやMRIのDICOM-DATAを3D-プリンターを利用して臓器モデルを作成し、教育への利用をすることで構造の理解を深める目的で行うものであった。そのため2つの方向性として取り組んできた。1)柔軟性の高い樹脂で動く臓器を作成すること、2)学習者が造形の工程を学ぶことによって、構造を細部に着目する機会と疾患を深く理解する機会を与えること。学習者は、この学習から3Dプリンターの医療におけるready-made医療への応用の可能性を学ぶことである。 これまで、DICOM-DATAを利用し既製の3Dプリンターを利用して心臓のモデルを作成するところまで行った。既製の3Dプリンターは、造形に利用できる素材がPLAやABSなど硬質の樹脂で、柔らかい樹脂に対応したものはなかった。 本年度は、①柔軟性の高い素材で心臓を作成し、動きをつけること、②硬質素材で3Dプリンターを利用した心臓モデルを学習者に作成させることで、より深い学びを体験してもらうことであった。①柔軟性の高い素材の3Dプリンターは、既製品プリンターの改良から始めた。素材には2液性硬化タイプシリコンを利用し、ノズルの改良や2液シリコンのシリンジ押し出し部品の改良を繰り返した。2液シリコンの添加物についても検討した。ノズルからの2液の分注による滲みと硬化までの時間の最適条件が見つからず、精密な立体造形に至らなかったが、バイオメタルを用い心筋様の収縮を可能とした。②心臓モデルを3Dプリンター使用し、造形する工程を学ぶアクティブラーニングを実施した。参加者からは良好な回答を得た。本研究は、柔軟性の高い樹脂での高精度の臓器造形には至らなかったが、構造を理解する良い教育手法となった。
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