2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26560134
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習ログデータ / 認知診断 / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,テストで得られる知識・技能の測定結果と,学習・教育活動から生成される学習ログを連携させて,個々の学習者に最適化された学習診断法を研究することである。本年度は,昨年度に整備したeラーニングシステムに日本語教育学習コンテンツを実装し,日本語中級レベルの文法クラスでブレンド型授業を実践した。学習ログデータを分析してeラーニングの効果を検討した結果,eラーニングで予習した者の方が理解が進む可能性があること,eラーニングによる練習頻度が高い者の方が到達度,熟達度ともに高いことが明らかになった。アンケートの結果,eラーニングよりもプリントによる練習を好む者が全体の23%あったが,その理由として,書くことの重要性,ネット環境の問題などがあげられた。 また,テストのフィードバック情報を学生がどう活用するのか,相対評価情報の有無がフィードバック情報の活用に与える影響,学習者が持つ達成目標による活用法の違いについて,眼球運動を測定する機器を用いて検討を行った。実験を行った結果,学習者の多くはテストの正答数や相対的な成績,間違えた問題の正解を確認するだけで,正解に至るプロセスは確認しない傾向にあることが示された。他者よりも良い点数を取ることを目標にする傾向の強い学習者は,主としてテストの点数や相対的な成績に注意を向け,テスト内容の理解を目指す傾向の強い学習者は,問題解決のプロセスを確認する傾向があった。これらの結果から,フィードバック情報の活用を促すためには,学習者の習得目標を高めることが重要であることが示唆された。 認知診断モデルや項目反応モデルに関連する研究にも取り組んだ。学習者の回答データに基づくQ-matrixと個人の知識状態の自動学習方法と推定アルゴリズムの提案や個人正答確率関数と回答傾向を推定する手法の研究も行い,成果を関連分野の国際トップカンファレンス等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築したeラーニングシステムに実装する日本語教育学習コンテンツを充実させ,蓄積された学習ログデータを用いてさまざまな分析を行うことができた。また,ブレンド型授業を実践し,eラーニングの効果と学習者の意識の検討や,学習者のフィードバック情報の活用方法に与える影響の研究,認知診断テストに関わる理論および実践的研究等,予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して,eラーニングシステムにおける学習コンテンツや学習ログデータを用いて,学習者個々人の特性と学習パタンの抽出,学習効果をあげるための方法を検討する。同時に,学習者の学習活動データにもとづいて,学習者個々人の知識習得状態および知識構造を推定する理論的研究をさらに進展させる予定である。また教育現場と連携し,実データに対して提案のモデルや推定アルゴリズムを適用し,方法の妥当性検証も行っていく。国際大会に参加し,研究動向調査や情報収集を行いつつ,本研究の成果を国際・国内学会や学術論文等を通して発信する。
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Causes of Carryover |
システム開発用のサーバーとして当研究所内の研究クラウドを低額で利用できたことや,国際学会発表の旅費等をほかの予算で賄うことができたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費,サーバー利用料,文献資料の入手,調査・打合せや学会発表の旅費等に用いる
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Research Products
(10 results)