2015 Fiscal Year Research-status Report
即時性と教育効果を考慮した協調学習過程の構造化手法に関する研究
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26560135
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
山口 昌也 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (30302920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 裕子 (大塚裕子) 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10419038)
北村 雅則 南山大学短期大学部, 英語科, 准教授 (50455424)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 協調学習 / ディスカッション / 支援システム / アノテーション / フィッシュボール |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)議論教育プログラムとアノテーション支援システムの試行実験 「気づき支援型」「ルール提示型」の実践を想定した,2種類の試行実験を行った。「気づき支援型」に対する試行では,アノテーション支援システムを用いて,ディスカッションに対するアノテーションの被験者実験を行った。この実験では,ディスカッションを収録したビデオに対して,リアルタイムアノテーションとプレイバックアノテーション(ビデオを何回も見直すことを許す)を実行し,(a)ツールを用いたリアルタイムアノテーションの実施可能性の検証,(b)リアルタイムアノテーションとプレイバックアノテーションの比較分析を行った。「ルール提示型」については,大学のグループ・ディスカッションの授業で収集したディスカッション(音声)に対して,教師(研究分担者)がアノテーション支援システムを用いてアノテーションを行い,授業での導入方法を検討した。本実践については,学会発表を行っている。 (2)支援システム未使用時の議論データの収集 「ルール提示型」(音声)「気づき支援型」(ビデオ)ともに分担者の授業実践を収録した。 (3)各種実践への適用 (1)の「ルール提示型」の実践に加えて,ワークショップ形式で「気づき支援型」の2種類の実践を行った。参加者は,それぞれ主として教育関係者(計40名)である。この実践の目的は,支援システムの実践への適用可能性の検証,教育的な立場からシステム設計へのフィードバックを得ることである。実践は,ビデオ収録された活動(ディスカッション,模擬授業)に対するアノテーションとそのグループリフレクションからなる。アンケートから得られた参加者からの評価は良好だった。なお,支援システムは実践を計画する段階で機能拡張した。また,参加者からのフィードバックを受けて,システムを改良し,一般に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)議論教育プログラムとアノテーション支援システムの試行実験 概要に示したとおり,「気づき支援型」は3回,「ルール提示型」は1回の実践を行い,実践への支援システムの導入可能性の検討,支援システム・実践計画の改良を行っている。「ルール提示型」は計画よりも1回少なく,「気づき支援型」は大学以外での実践になっているが,試行実験の目的自体は達成したと考えている。ただし,研究成果の発表は,学会発表,図書のみで雑誌論文の発表には至っていない。支援ツールについては,Web上に公開している。
(2)支援システム未使用時の議論データの収集 計画どおり進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,次の計画で研究を実施する。 (1)議論教育ブログラムの実践と結果の検証 大学における授業において,構築した議論教育プログラムを「気づき支援型」,「ルール提示型」それぞれ1回ずつ実施する。この結果に基づき,教育的観点から議論教育ブログラムを評価するとともに,工学的観点から支援システムを評価する。なお,実践における支援システムの適用場所については,一部計画を変更する。具体的には,当初の計画では,リアルタイムで行われるディスカッションであったが,ビデオ収録されたディスカッションへのリアルタイムアノテーションについても合わせて検討する。これは,実際の実践では実施機会が極端に限られるので,検証実験が失敗した場合の対策である。 (2)成果発表と成果の公開
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Causes of Carryover |
実践での検証実験のための機材レンタルと,実践の補助,結果の資料整理のための謝金を確保するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検証のための実践授業を7~9月,もしくは,10~12月にかけて実施するため,その前後で使用する予定である。
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Research Products
(8 results)