2014 Fiscal Year Research-status Report
戦前日本における紫外線知識・言説の形成と変容に関する科学史・STS的分析
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26560140
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 凡性 広島工業大学, 環境学部, 准教授 (30419337)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 紫外線 / 知識 / 言説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、科学技術史及び科学技術社会論(STS)の分析技法を用いて、戦前の日本において紫外線に関する知識と言説がどのように形成され、変容してきたのかを実証的に検討することを目的とする。特に本研究では、科学知識が生産される局面と消費される局面の両方を射程に入れ、社会的な存在としての紫外線について総合的に考察している。 2014年度においては、各図書館での資料調査を行いつつ、情報の収集と分析を行った。その結果、紫外線の農業との関係に注目するようになり、分析の結果は、William Boyd, “Making Meat: Science, Technology, and American Poultry Production,” Technology and Culture Vol. 42, no. 2, 2001, pp. 631-664で紹介されているアメリカの事例と比較しつつ、2015年5月30日・31日に大阪市立大学で開催される日本科学史学会第62回年会にて報告する予定である。 一方、Daniel Freund, American Sunshine: Diseases of Darkness and the Quest for Natural Light, Chicago: University of Chicago Press, 2012は20世紀前半のアメリカ社会における様々なアクターと紫外線認識との関係について分析しているが、Freundの研究と日本の事例を比較することで理論面での進展も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紫外線と社会との関係については、主に「健康」や「環境」、「美容」をキーワードとして分析を行ってきたが、本年度においては、紫外線と農業との関係が持つ重要性を新たに認識するようになり、さらに幅広い観点からの分析が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き紫外線と農業との関係に注目しつつ、健康や美容、ならびにそれをめぐる社会言説をも射程に入れて分析を行っていく予定である。
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