2015 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の心理的発達に関わる美術館における鑑賞プログラムの分析と開発
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26560150
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
杉浦 幸子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (90635955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
米徳 信一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80240381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鑑賞教育 / 実験心理学 / 美術館 / アート |
Outline of Annual Research Achievements |
内容:美術作品の鑑賞が、急速に視覚が発達する段階にある乳児期(生後3ヶ月ー12ヶ月)の学びにどのように寄与できるかの調査・研究である、本研究の2年目にあたる27年度は、美術館やアートセンターといった、日常生活空間とは異なる環境において、さまざまな特徴をもった美術作品の鑑賞を行うことで、乳児がどういった刺激を受けているかを分析するための、データ収集を主に行った。 具体的には、2015年7月、8月に川崎市岡本太郎美術館、10月に商業施設スパイラルにおいて、公式に外部に募集をかける教育普及プログラムとして、各々約1時間、計3回の鑑賞プログラムを実施し、計23組54名の親子が参加。親子1組に補助を一人付ける、乳児が発信するノン・バーバルの反応(視線、身振り手振り、唸り声など)を、動画・静止画で記録した。プログラム実施後に、関わったスタッフによる、内容・運営についての振り返りを実施し、乳児の学習がより効果的に行われると思われる手法について検討した。また、川崎市岡本太郎美術館は、プログラム終了後、成果を印刷物として発行し、共有した。 また、海外との連携として、近年、博物館・美術館教育が急速に発達する台湾において、先進的な試みを行っている、故宮博物院と昨年嘉義に開館した故宮博物院南院、および、台北市立美術館における乳幼児プログラムの調査を開始し、出張時に視察を行った。 意義と重要性:将来的な生涯教育政策決定において、ますます重要性が高まると思われる、生後3ヶ月から12ヶ月の乳児(その保護者ではなく)を対象とする、美術館などにおける公的な鑑賞プログラムは、非常に限られた館でのみ実施されているのが現状であるため、当研究で具体的にプログラムを実施していることには意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書において、27年度の計画としては、次の2点を挙げている。1.乳幼児を対象とした活動を行う国内外の機関および関係者とのネットワークを構築する。2.国内の連携候補先美術館との、新規乳幼児向け美術館教育プログラムの企画実施と成果の分析・検証・記録・公開を行う。 1、2の両点について、初年度にあたる26年度に既にプログラムを実施した館も含め、上に挙げたように、国内の美術館、アートセンターとの具体的なプログラム実施を通した連携や、海外の博物館、美術館における乳幼児プログラムの視察を通して、関係者とのネットワークを構築し、最終年度に向け、更に研究を深め、まとめる素地を作ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の成果を鑑みて、本研究の最終年度となる28年度は、計画書に挙げている通り、引き続き、乳幼児を対象とした国内外の美術館の展覧会、教育プログラムのリサーチおよびネットワーク構築を行うとともに、次の3点を実施する。 1.国外の博物館・美術館と、3ヶ月から12ヶ月の乳児を対象とした教育プログラムの共同開発を行う2.年間の成果を広く公開し、共有するシンポジウムを開催する。3.研究全体の報告書を作成する。 1.の国外連携先候補としては、台北市美術館(台湾)、Tate Modern(イギリス)、Boston Museum of Art(アメリカ)、サムソン美術館(韓国)などを考えている。2.のシンポジウムに関しては、研究成果について広く一般に告知し、成果の活用を促すために。共同研究者やこれまでプログラム実施で関わった専門家などをパネリストとして実施する。3.については、3年間の研究成果を、印刷、インターネットといったメディアで広く告知する。
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Causes of Carryover |
今年度、実施した海外の事例研究のための旅費を計上していたが、所属大学における共同研究活動の一環として行ったことで、予定していた金額を支出しなかったことと、プログラム実施スタッフの謝金を計上していたが、連携先の美術館のスタッフがサポートに入ったことで、謝金を支出しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、当研究の最終年度となるため、海外での研究および成果発表を充実したものとするために、旅費、シンポジウムのための謝金、報告書印刷費およびウェブサイト構築費に、支出するものとする。
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Research Products
(1 results)