• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

電気探査による環境変動研究の可能性の追求

Research Project

Project/Area Number 26560156
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

春山 成子  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10267461)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords環境変動 / ラグーン / 堆積構造 / 地考古学 / ナイルデルタ
Outline of Annual Research Achievements

エジプト北部、アレキサンドリア東部地域に広がる地中海に面する汽水域であった旧ラグーンの一つであるイドック湖、および、その周辺低地における自然環境の変動様式について、人為的影響と自然環境そのものの変化の双方向から、環境変動様式を確認することを研究目的としている。イドック湖の周辺地域には、ヘレニズム時代以降のいくつかの歴史的な遺跡群が立地しているものの、これらの遺跡の成立時期と盛衰の時期における自然環境との関係性は不明であった。このため、イドック湖および低地に広域に及ぶ遺跡の成立時期とその時期の環境変遷を地形・地質的な理解をもとにこの研究では分析を行う。
今年度は長谷川科研で試掘した3本のオールコアボーリングの堆積物の分析を継続し、堆積物中に残存する各種の自然環境の指標を基にして、環境構造、環境変化要因の分析を中心にしてきた。特にイドックIIIポイントは旧ラグーン湿地堆積物で構成され、堆積構造が理解しやすいため、10件の炭素年代測定を行うとともに、堆積物の完新世における時代背景を同定した。また、表層部および底辺部の堆積物の土壌分析を稠密に行った。この際、花粉分析、珪藻分析などについて数点分の分析を行いった。これらの分析結果をみると、試掘底部13メートル深度では、完新世中期の年代と汽水から塩水の湿地であったことが分かった。表層部付近における堆積物からは汽水湿地から湛水湿地へと変遷していることが明らかになった。堆積物の下部にでは堆積速度が遅く、上部に行くほど堆積速度が大きいことなどを明らかにした。研究成果を日本地理学会などにおいて発表を行い、国際会議に参加することで他の研究者との議論を行った。研究推進に際し、現地調査を不可欠と考えていたが、中東地域での緊迫した状況があり、エジプトないでの爆破事件などがあったために、今回は現地調査を中止した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究室内において行うことが可能な堆積物の分析作業については年代測定、花粉分析などの分析を併用しており、当初、考えていた程度には進展している。また、リモートセンシングを用いた画像を用いた地形分析にも着手している。しかしながら、開始当初、現地調査を行う予定であったが、政治的混乱、中東地域におけるさまざまな社会問題と事件が与えたエジプトへの影響を考えて現地調査を中止したために一部の研究が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

ナイルデルタ北部に位置するブハイラ県マハムデーヤ市周辺地域、および、今年度と同様に、イドック湖および周辺低地ならびにマハムデイーヤ運河との間に挟まれている地域にの遺跡が立地する丘陵、砂丘地域などの地形形成過程と環境変動について、追跡調査を継続する予定である。コマル・ウスト遺跡南側には標高7mの丘陵部分が東西方向に広がるが、この遺跡の西側には遺物散布地も広域に広がっている。これらの遺跡立地と盛衰と環境変動との対応について、特に、完新世中期の気候変動との対応を確認したい。また、コマル・デバーの遺跡が城砦遺跡であった可能性を視野にいれると、地中海世界の海域の広がりとラグーンの拡大・縮小のリズムも確認できる可能性が高く、現地調査の可能性を探りつつ、今年度はリモートセンシングなども援用しながら、地域の自然環境変化を明らかにしたい。

Causes of Carryover

中東地域での安全が確保されない状況のなかで、当初予定していた現地調査を中止したために翌年度の使用額が生じている。また、学生への作業謝金を予定していたが、今年度は必要ではなかったためにこの予算も次年度に繰り越すことになった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

現地調査を行うことを考えているが安全が確保可能な時期まで様子を見なければならず、次年度への繰り越しについては堆積物の分析費用などに使用をしたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Surface Sediment of Iduk III core near Komal-Diba’2015

    • Author(s)
      Shigeko Haruyama
    • Organizer
      日本地理学会
    • Place of Presentation
      日本大学文理学部
    • Year and Date
      2015-03-27 – 2015-03-28

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi