2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Extinguishing Method with an Inert-Gas Vortex Ring Generated by a Premixed Combustion
Project/Area Number |
26560170
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鳥飼 宏之 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (50431432)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 消火 / 拡散火炎 / 予混合火炎 / 渦輪 / 火災 / 不活性ガス / 消炎 / 燃焼速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は最終年度であったため,メタン-空気予混合燃焼を用いて形成した燃焼ガス渦輪によるメタン-空気拡散火炎の消火法の消火機構の解明を行った.また燃焼ガス渦輪を用いた消火機器の実用化を踏まえて,燃焼ガス渦輪を安定に形成できる渦輪装置の検討も行った.本研究では,片側開口円筒内に予混合気を充填し,それを電気スパークで着火することで,開口部から予混合火炎が噴出し,ドーナツ形状の火炎渦輪が形成される.この火炎渦輪形成時の予混合火炎面の移動速度を高速度カメラの映像から解析したところ,その値は予混合気が有する燃焼速度の大きさに依存することが明らかとなった.また,昨年度の最大燃焼速度が得られる当量比で燃焼ガス渦輪の消火効果が最も大きくなったことを踏まえると,円筒から噴出される火炎の速度が大きくなるほど,消火効果の高い渦輪,つまり空間移動速度の大きな燃焼ガス渦輪が形成されると考えられる.そして円筒内で燃焼させる予混合気の燃焼速度の値が大きくなればなるほど,燃焼ガス渦輪の消火効果は大きくなると考えられる.次に,燃焼ガス渦輪の消火機構としては,燃焼ガス渦輪が火炎に衝突することで,円管バーナ上に形成されたメタン拡散火炎が下流へ押し流される.そして,押し流された後に衝突した渦輪が,約0.6 m/s程度の流速を有し,火炎基部に流入する流れを形成することができれば,最終的に火炎基部は更に下流へと押し流され火炎全体の消炎が達成され,消火成功となる.逆に,燃焼ガス渦輪の火炎への衝突後,浮き上がった火炎基部に流入する流れの速度が約0.4 m/s以下であった場合,燃焼ガス渦輪は火炎基部を下流へと完全に押し流すことができず,火炎基部は上流へ伝播しバーナ上に再安定化される.その結果,消火が失敗となるといえる.
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