2015 Fiscal Year Annual Research Report
レーダによる都市域大型構造物の劣化兆候の検出可能性に関する研究
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26560177
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
福地 一 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90358820)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 安心の社会技術 / 都市基盤安全 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
人工衛星搭載の合成開口レーダ（SAR)観測結果から地上大型構造物の特性変化の抽出可能性を検討するために、国内外の研究状況調査を文献調査及び国際研究集会での調査を通じて実施した。その結果、これまでドイツの観測衛星 TerraSAR－Xによるベルリン市内の長期観測で駅庁舎や高速道路橋げたの年間位置変動状況が検出できることがわかった。また、国内では、大型構造物としてダムを対象にした衛星搭載SAR繰り返し観測とダム壁面に配置したGPS測定器による壁面変位測定の比較から衛星搭載SARによる壁面変位の観測可能性が示されていることがわかった。また最近ではマンション屋上高さの変位のモニターを目的に微小高さ変動の衛星搭載SARによる観測が試みられている。これらの測定では時間を隔てた複数の観測シーンから干渉SAR手法により高さ変動を抽出する手法が使われている。この変動を正確に抽出するためには、多くの観測シーンが必要なこと、また観測周波数により大気等の種々の誤差要因があり、この要因の補償法が重要であることがわかった。
本研究等で入手した東京多摩地域の衛星搭載SAR観測データ（日本のPALSAR、ドイツのTerraSAR-X、カナダのRadarSAT）を用いて複数の大型ビル、橋げたなどの地上大型構造物の衛星搭載SAR観測結果を解析した。これらの観測では、複数の偏波情報を観測できるフルポラリメトリック観測データであり、対象物に関するレーダ反射特性を多く入手することが可能である。そこで、この研究では、フルポラリメトリック観測の利点及び観測位相情報を活用して、干渉法より簡便な地上大型構造物の反射特性の経年変化抽出を試みた。その結果、観測シーンごとの詳細な位相変化の解析により、複数の地上大型構造物相互間の相対的な高さの変化などを観測できる可能性を示すことができた。
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