2015 Fiscal Year Research-status Report
津波をもたらした沿岸水域地すべりの捜索とその地すべり形態科学
Project/Area Number |
26560187
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田房 友典 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (20321507)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地すべり / 崩壊 / 水底地すべり / 湖底地すべり / 海底地すべり / 魚群探知機 / 音響探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続き自動調査船の開発を行うとともに,開発した低価格水底調査システムと完成した船体を用いて,神奈川県芦ノ湖,福島県猪苗代湖,滋賀県琵琶湖において水底地すべりの調査を行った. 自動調査船は水質を汚濁する可能性の低い環境に配慮したエレキモーターを採用し,なおかつ安定性の良い双胴船船体を用いた船体を新規に開発した.そして,伝送システムとして,GoogleAPIとJigbeeによる無線遠隔通信システムを構築して,リアルタイム遠隔操作を実現した.この船体を芦ノ湖に導入し,湖底の地すべり地形とそれによりもたらされた水没森林の調査を行った.その結果,これまでのソナーイメージとは格段に高い解像度で,なおかつ空間的に広く高密度で調査を行うことに成功した.これらの成果および,本手法のコストおよび簡易さは革新的であり,次年度以降は成果を広く公表することが求められると考えている. 自動調査船ではないが,良い大きく気象条件の困難な猪苗代湖と琵琶湖でも水底地すべりの調査を行った.猪苗代湖では,これまで地すべりの存在が知られていない水域において,非常に新しい地すべりによると思われる角礫群を発見した.ここでは,比較のために,海洋調査機器の一つであるサブボトムプロファイラを導入してその取得画像と比較したが,浅水域においては今回,筆者の導入したソナーイメージの方がより高解像度で実用的であることが判明した.また琵琶湖でも,同様に湖底のイメージ画像が得られたが,それらと実際の底質との関係が不明であり,今後,水中カメラ,水中ドローンなどを用いて確認する必要があることが判明した. 以上に得られた成果に関しては,今後の研究展開において重要であるために,最終年度は広く成果を公表していく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自動調査船の開発が成功裏に進んでいること,未知の巨大水底地すべり地形の発見などの成果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度において本課題予算による調査は予定されていない.最終年度は成果の取りまとめを行うとともに,研究雑誌,学会等において得られた成果を公表していく予定である.
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Research Products
(5 results)