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2014 Fiscal Year Research-status Report

微量ヘモグロビンの触媒化学発光ピコフォトセンシングによる単体赤血球溶血条件の定量

Research Project

Project/Area Number 26560201
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

中村 匡徳  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20448046)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木村 直行  自治医科大学, 医学部, 助教 (20382898)
氏原 嘉洋  川崎医科大学, 医学部, 助教 (80610021)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords赤血球 / 溶血 / 引張試験 / 破断ひずみ
Outline of Annual Research Achievements

溶血とは,赤血球の膜破断によるヘモグロビンの漏出である.赤血球の膜破断ひずみを定量化できれば,赤血球の計算力学モデルを用いて,その時の赤血球膜面上の局所的なひずみを解析的に同定することも可能である.本年度は膜破断条件の定量化に向けて,赤血球に対して引張試験を行う方法を検討し,確立することを目的とした.そのために,まず,赤血球把持用のマイクロピペットの作製法の検討し,決定した.これにより,赤血球を吸引により把持する際,赤血球をピペット内部に吸い込まず,かつ陰圧と陽圧の調整が可能なピペットを作成することができるようになった.次に,赤血球接着試験を行い,接着条件を検討した.これにより,30分硬化型のエポキシ樹脂は赤血球の接着には不向きであることがわかった.一方,ウレタン樹脂を用いた場合では,空気中での乾燥時間を調整することで赤血球を固定することが可能となったものの,赤血球が破断するまで伸張することはできなかった.最後に,赤血球接着試験を踏まえて,粒子法によるシミュレーションにより赤血球を把持する位置が膜面の力学状態に及ぼす影響について検討した.これにより,把持位置によって赤血球膜面上最大ひずみは50%程度変化しうる可能性があることが判明した.依然として,より強固な接着法の模索が求められるものの,赤血球引張試験を行うための基礎的条件について明らかにした.来年度は,引き続き,赤血球の固定方法について探索を行うとともに,他の変形方法についても検討を進める.その中で,赤血球の膜破断を実現させ,膜破断条件の定量化を図る.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度、赤血球の引張り試験を行ったところ、赤血球が完全に破断する前に、引張り用の治具から外れてしまった。これについて、赤血球と治具との間の接着剤の種類や接着方法、治具の形状などをいろいろ試してみたが、未だ、赤血球の完全破断にはいたっていない。研究申請時には、平成26年度までに膜を破断させるところまでできる予定であったが、赤血球の弾性力が想定していたよりも大きく、これまで他の細胞に対して適用できていた引張り方法では難しいことがわかり、引張り方法の見直しに時間を要しており、当初予定よりやや遅れた結果となった。

Strategy for Future Research Activity

今後の方針としては、引張り試験中に赤血球をどのように固定するのかという方法について検討することが、喫緊の課題である。現在の考えとしては、赤血球の把持方法を変更することである。これまで、赤血球と引張り用の治具とは、ウレタンおよびエポキシ樹脂で接着固定していたが、これでは引張り試験中に生じる赤血球の弾性力に負けてしまい、赤血球が剥離してしまう。そこで、赤血球をマイクロピペットに一部から三分の一程度吸引し、その状態で引張ることを考えている。また,治具の片側をマイクロニードルとして用いていたが、そちら側もマイクロピペットにすることで、両側から一部を吸い込んだ状態で、赤血球を引張ることとする。その際、マイクロピペット内にはあらかじめ、上記した接着剤を塗布しておくことで、より強固な把持を目指す。
もし、上記の方法でうまくいかない場合については、研究計画を変更し、赤血球を把持しない方法により赤血球を伸張変形させて破断させる。現在、有している考えとしては、マイクロ流路を用いた方法であり、流体力学的な力を赤血球に瞬間的に作用させる。この方法についても平成27年度に試す。
赤血球の破断に成功した際には、試験サンプル数を増やすことにより、赤血球膜破断ひずみおよび破断応力の同定を目指す。赤血球の弾性特性は、赤血球の加齢度によっても変化するという報告があるため、それによる膜は断ひずみの違いについても検討する。

Causes of Carryover

研究計画に遅れが生じ、打ち合わせが延期になったため、旅費が次年度に持ち越しとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

赤血球引っ張り試験に関する打ち合わせの旅費として使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 膜破断条件の定量化に向けた単体赤血球の引張試験法の確立2015

    • Author(s)
      岡村河以人,大久保裕貴,平原裕行,中村匡徳
    • Organizer
      日本機械学会関東学生会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2015-03-20 – 2015-03-20

URL: 

Published: 2016-05-27  

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