2014 Fiscal Year Research-status Report
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26560206
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 茂雄 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (20262602)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨密度 / 光計測 / 近赤外光 / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本法の原理が成り立つことを数値シミュレーションおよび模擬骨試料を使った実験により検証した.数値シミュレーションでは,モンテカルロ法を用いて近赤外光を用いた場合の骨内部での光の減衰・散乱をシミュレーションし,本法により検出される光強度データより骨密度が予測できるかどうかを検証した.その結果,骨密度が低すぎると骨密度の増加とともに検出光強度が増加し,一方、骨密度が高い領域では密度増加と伴に強度が線形的に減少する二相性の変化を示すことが示された.これは,骨内部の散乱による非線形的効果によるのであり,本原理は適用骨密度範囲が限定されることを示唆していた.しかしながら,骨密度の生理的範囲を考慮すると,上記の線形減少領域での運用が可能であると判断された.一方,模擬骨試料を使った実験では,ボード上に配置した光学部品による構成される専用装置を使用した.なお,光源として近赤外光半導体レーザーを使用した.また,模擬骨は,シリコン樹脂に炭酸カルシウム粉末を均一に混合して円柱状に成形したものであるが,混合割合を変化させることでヒトの海綿骨密度範囲の密度を再現した.実験の結果は,前述のモンテカルロシミュレーションの結果と類似しており,試料密度と検出光強度の関係は二層性の変化を示したが,ヒト骨密度範囲に限定して使用する場合は十分有用な線形関係性を有していると判断された.なお以上の結果は,日本機械学会北陸信越支部第52期総会・講演会(2015年3月7日,新潟工科大学)にて発表している.今後は,皮膚層が存在した場合についても同様の検討を行い,本装置の精度についてのより詳細な検証を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の実施計画で目的とした模擬骨試料を使った実験は実行され,装置作成に必要なデータの収集に成功している.さらに,皮膚の影響についての検証実験は現在進行中であり,このような観点より研究課題は概ね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の計画では,前年度で得られた模擬骨試料をつかった検証実験の結果を考慮して,実用化の観点から設計・デザインされた計測装置の作製を実施する予定である.作製される装置はハンディーサイズとし,コンピュータ制御により骨密度の自動評価が可能なレベルまで完成させる予定である.
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Research Products
(1 results)