2015 Fiscal Year Annual Research Report
高肝機能誘導型スーパーヘパトーマによるバイオ人工肝臓の開発
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26560216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上平 正道 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40202022)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物・生体工学 / 細胞・組織 / バイオリアクター / 人工臓器工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
8種類の肝特異的転写因子の遺伝子を誘導発現システムであるTet-Onシステムによる発現ユニットとしてマウスヘパトーマHepa1-6細胞に遺伝子導入し、誘導薬剤であるドキシサイクリン(Dox)添加によって導入した転写因子遺伝子を発現させることで、高い肝機能を発揮する状態に誘導できる細胞株(Hepa/8F5)の樹立に成功している。この細胞をBALシステムに利用するための検討を行った。まず前段階として、人工肝臓モジュールとしてバイオリアクターにHepa/8F5細胞を固定化する方法について検討を行った。肝細胞は球状凝集体(スフェロイド)のような3次元組織形態に組織化させながら培養することで、高い肝機能を長期間維持できることが知られているが、Hepa/8F5細胞においてもスフェロイドを形成させて機能誘導した場合の肝機能発現が増強されることがわかっている。Hepa/8F5細胞スフェロイドの調製に非接着性培養基材を用いる方法を試みたが、効率的に高肝機能を有するスフェロイドを調製することができたが、大量調製にはやや難があった。そこで、ゼラチン製多孔質ビーズへの固定化を試みた。ビーズに固定する細胞播種密度を検討したところ、ビーズ当たりの肝機能では960 cells/beadの条件が最も高くなったが、480cells/beadの条件で細胞当たりの肝機能が最も高くなった。960 cells/beadの条件では、細胞が高密度で固定化されているため死細胞も多く観察されたことから、細胞当たりおよびビーズ当たりの肝機能が高い480cells/beadの条件を最適と判断した。この条件での肝機能は、アルブミン分泌能で初代肝細胞の約4/5、アンモニア除去能で約2/3であり、多孔性ゼラチンビーズに固定したHepa/8F5細胞をバイオ人工肝臓システムへ応用することは十分に可能であると考えている。
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Remarks |
研究室ホームページ http://www.chem-eng.kyushu-u.ac.jp/lab3/
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