2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント高分子を利用した神経伝達物質用高速センサの開発
Project/Area Number |
26560223
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉見 靖男 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30267421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオセンサ / 神経伝達物質 / ブレインマシンインターフェイス / 分子インプリント高分子 / 神経伝達物質 / 味覚 / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブレインマシンインターフェイス用の神経伝達物質検出センサを開発するもので、本申請研究の前段階に当たる。開始剤を固定したITOに神経セロトニンを鋳型として、メタクリル酸、メチレンビスアクリルアミド、ビニルフェロセンをグラフト共重合して得られた電極は、セロトニン濃度に依存する電流を発生させることを見出した。この電流は、セロトニンに構造が類似するトリプトファンに対しては依存しなかった。本結果によって、分子インプリント高分子にレドックス官能基としてフェロセニル基を導入したの固定電極が、脳内の伝達物質を選択的に検出できることが示された。 また、アメフラシの味覚応答に対する応答の解析法についても検討した。口球神経節神経節を膜電位感受性色素で染色し、この神経節と接続した口球に、味覚刺激を与え蛍光強度変化から味覚応答を感知した。その結果、口球に味覚が与えられると、特定部位(S-クラスター)の神経細胞が一斉に興奮する様子が観察できた。アメフラシが好む味覚(L-アスパラギン、ワカメ抽出物、海苔抽出物)を口球に与えると、4秒のタイムラグを置いて興奮するのに対し、嫌う味覚(L-アスパラギン酸、マクサ抽出物、純水)を与えると、タイムラグは2秒であった。さらに好む味覚を与えながら電気ショックを与え、その味覚を嫌うように学習させると、やはりその味覚に対しては約2秒のタイムラグで応答した。この結果は、動物が誤った食物を素早く吐き出さなければならないことから、合理性があり、S-クラスターが味覚認識に基づく応答の過程に重要な役目を果たしていることが分かり、その部位で放出される神経伝達物質をセンシングすることにより、アメフラシの意志に応じたブレインマシンインターフェイスのモデルが構築できる可能性が示された。
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