2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体内レニン活性の可視化解析技術の開発と病態解析及び治療法開発への応用
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26560229
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70449891)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | FRET / レニン活性 / in vivo imaging / 多光子レーザー顕微鏡 / 慢性腎臓病 / 糖尿病性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence resonance energy transfer:FRET)は2つの蛍光分子が近接した場合に、一方の蛍光分子(ドナー)から他方(アクセプター)へ励起エネルギーが電子共鳴によって直接移動する現象である。酵素活性を定量するために、FRET技術の応用が可能である。基質となるペプチド(FRETペプチド)のN端にドナー分子を結合させ、C端をアクセプター(クエンチャー)分子で標識する。2分子が近接状態ではドナー由来の蛍光はクエンチャーによって吸収されるため、蛍光を発しない。酵素によりFRETペプチドが切断されると、ドナーの由来の蛍光が検出可能となり、蛍光強度を測定することで酵素活性が定量評価可能となる。 レニン活性の検出には、レニンFRETペプチドとして、レニン基質ペプチドの両端に蛍光色素5-FAM及びクエンチャー分子QXL-520を結合したRenin FRET Substrate を用いた。多光子レ-ザ-顕微鏡を利用し、各種分子量の蛍光標識probeを用いラット、マウスの腎内微小血流、透過性変化を直接可視化するin vivo imaging法を確立している。この方法を基盤として、生体動物においてレニン活性を可視化する新規in vivo imaging技術を開発した。経静脈的にレニンFRETペプチドを投与し、多光子レーザー顕微鏡でレニン活性を検出しうることが明らかとなった。レニン阻害薬(Aliskiren)投与によりこの蛍光が強く抑制されることから、観察蛍光がレニン活性を示していることが支持された。食餌塩分摂取量を変化させ、血漿レニン活性を同時に測定し、蛍光強度との相関を解析し、両者が負の相関を示すことが明らかになった。 本技術を活用した各種病態腎における組織レニン活性変化の解析に現在取り組んでいる。
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