2015 Fiscal Year Annual Research Report
光反応活性場での強配向成長によるチタン酸カルシウム系生体活性膜の創製
Project/Area Number |
26560235
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
且井 宏和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70610202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チタン酸カルシウム / レーザーCVD / 結晶配向性 / ナノ組織 / 生体適合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レーザー照射下の光反応活性場における気相成長プロセスにより特異なナノ組織の発現や結晶配向性を制御することで、Ca-Ti系複酸化物の生体活性膜を創出することを目的とした。これまで、高強度レーザー照射下での化学気相析出(レーザーCVD)法により(101)や(121)に強く結晶配向したファセット組織やカリフラワー組織を持つCaTiO3膜を合成してきた。 平成27年度は、これらの多様な組織や結晶配向性を持つCaTiO3ペロブスカイト相の膜のほかに、広範な成膜温度や原料供給条件がCa-Ti-O膜の結晶相や微細組織に及ぼす影響を精査することで、Caリッチ組成ではRuddlesden-Popper構造のCan+1TinO3n+1が気相成長することを明らかにした。これらレーザーCVD法で作製したCa-Ti-O膜の成膜速度は従来の熱CVD法に比べて1桁以上高く、Can+1TinO3n+1では225 μm h-1に達した。得られたCaTiO3およびCan+1TinO3n+1膜をハンクス溶液に浸漬し、擬似体液中における微細組織変化を調べた。CaTiO3膜では、259.2 ks(3日間)の浸漬により表面のファセット組織が若干滑らかになり、数百nm程度のリン酸カルシウム析出物が疎らに形成した。一方、Can+1TinO3n+1膜では表面組織が著しく変化し、リン酸カルシウムの粒状組織で覆われることを明らかにした。
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