2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト細胞を用いた3次元脳組織のin vitro再構成への挑戦
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26560247
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 郁郎 東北工業大学, 工学部, 講師 (90516311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3次元培養 / ヒト由来神経細胞 / 脱細胞組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト由来細胞を用いて3次元神経組織モデルをin vitroで構築することを目的としている。具体的には、組織の構造および細胞外基質が豊富に残存している「脱細胞化した脳組織」を足場に、分化済みのヒト由来ニューロンおよびヒト由来神経幹細胞を播種することにより、神経回路の構造を3次元再構築する培養技術の開発を行う。初年度は、ブタ脱細胞組織の作製条件の検討と脱細胞組織のゲル化条件の検討および脱細胞組織内でのヒトiPS細胞由来ニューロンの培養法の検討を行った。界面活性剤(SDS, Triton-X)やDNAse、RNAseなどの濃度、投与時間、温度等の条件の違いにより、組織構造の維持や残存するDNA量が異なることを、組織化学染色法、DNA量測定により明らかにした。脱細胞組織の凍結乾燥による粉末化、ペプシンによる脱細胞化脳組織の可溶化、および架橋剤を用いたゲル化に成功し、脱細胞脳組織を材料とした粘度の異なるゲルを作製することができた。ゲル内での培養評価および至適ゲル濃度の検討が今後の課題である。また、脱細胞組織体へ直接3次元培養させる手法においては、ヒトiPS細胞由来ニューロンが脱細胞組織内に培養されている様子を共焦点顕微鏡で確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脱細胞脳組織を材料としたゲル作製法を開発したこと、および脱細胞脳組織内での細胞培養が確認されたことから、次の課題として3次元培養に最適なゲル条件および脱細胞組織条件の検討が行える為。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に検討した脱細胞脳組織のゲル化法を用いて、ヒトiPS細胞由来ニューロンの3次元培養に最適なゲル条件を見出すことを予定している。脱細胞脳組織ゲルを足場とした3次元培養の効果を形態的および機能的に評価する。また、ヒトiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた3次元培養をゲルおよび構造を保った脱細胞組織を用いて行い、分化特性等を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
残額5343円を消耗品の使用で0に調整するよりも、次年度に使用した方が有効的に使用することができるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額5343円を次年度の助成金を合わせて、必要な消耗品を購入する。
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