2014 Fiscal Year Research-status Report
超高精度・実時間応力変形解析による革新的特発性側彎症治療支援システムの開発
Project/Area Number |
26560262
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸岡 健一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (80323806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 健介 九州大学, 大学病院, 助教 (00717069)
辻 徳生 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (30403588)
倉爪 亮 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (70272672)
岩下 友美 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (70467877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 実時間有限要素解析 / 側彎症 / 低品質医用画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では,以下の2点について研究を行った. 1)胸郭骨の変形・応力分布を推定する実時間有限要素解析法について研究を行った.具体的には,各骨のボリュームモデルを構成する節点ごとに,連結する周囲の節点からの伝播する応力を入力すると,それに対応する節点の変位や応力などを出力する,ニューラルネットワーク(以後,NN)を構築し,これらを統合することで,実時間有限要素解析法を開発する.平成26年度では,基礎研究として,30節点から骨輪郭の平面上での変形を対象とし,各節点ごとに4層からなら多階層NNと,それらを統合したシステムを構築し,上記の変形および応力分布を高い精度で推定できることを確認した. 2)低品質医用画像から患者指向胸郭骨形状モデルの生成について研究を行った.具体的には,対象骨の形状や空間配置について,その共通性や多様性を統計解析に基づいてモデル化した統計的形状モデルを作成した.この統計的形状モデルのパラメータを変えることで,様々な骨形状を表現できる.そこで,医用画像中の骨形状に最もフィッティングする統計的形状モデルのパラメータを推定する方法を,パーティクルフィルタを用いて構築した.パーティクルフィルタを導入することで,複数のパラメータセットに対し,それにより復元される形状と,画像中の骨形状の一致度を同時に評価し,且つその評価に基づいて最適なパラメータセットを確率論に従って求めることができる.提案手法によって低品質画像から骨形状を推定する実験を行い,提案手法は安定且つ高速に骨形状を抽出できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の目的として,平成26年度では,実時間有限要素解析法の構築を挙げている.これについては,基盤技術を構築でき,その有効性を確認できた.一方,低品質医用画像から患者指向胸郭骨形状モデルの生成については,当初平成27年度の研究項目として挙げていたが,平成26年度で枠組みを確立することができた.以上のように,全体として,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度では,実時間有限要素解析法の基盤技術を確立できた.平成27年度は,本解析法を3次元に拡張すると共に,その拡張に伴い計算時間が増加すると容易に予想され,その問題を解決する手法を構築する.また,低品質医用画像から患者指向胸郭骨形状モデルの生成については,胸郭骨を構成する骨全体に適用できるよう,方法論の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,当初計算機を購入する予定であったが,使用するデータや計算量に対し,研究室にある計算機をベースに,メモリやハードディスクなどをアップデートすることで対応できたため,今年度の購入を見送った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
一方,平成27年度では,前年度と比べ扱うデータ量が爆発的に増え,それにより膨大な計算を行うため,繰り越した研究費を加えて,高性能計算機を購入する.
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Research Products
(4 results)