2014 Fiscal Year Research-status Report
先天的に四肢の麻痺・欠損を示す小児における四肢視覚認知に関する研究
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26560272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芳賀 信彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80251263)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 視覚認知 / アイトラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
アイトラッキング計測にかかわる機器のセットアップを行い、安全性を保ちながら計測が正常に行われることを健常成人および健常小児での予備試験を行い確認した。予備試験ではアイトラッキング計測を繰り返し行い、適切な計測環境として、被験者と機器の位置関係や検査室の環境設定を行った。また、研究参加者自身の全身写真を用いた適切な視覚刺激の作成方法や、アイトラッキング装置での視覚刺激の提示方法の検討を行い、全身写真撮影時の姿勢や提示時間の設定を行った。予備試験により、適切で正確なアイトラッキング計測が可能となり、実際の検査手順が確立した。 予備試験で得られた結果を踏まえ、研究の詳細な設定が確定した後、研究に係る倫理申請を研究代表者の所属施設で行った。その結果、平成26年12月に承認を得た。これにより、研究代表者の所属施設において、研究参加者の募集および計測が可能になった。 倫理申請が承認された後、研究代表者の所属施設において、研究参加者の募集を患者および健常小児にて開始した。患者については所属施設に外来通院している者を、健常小児については所属施設の職員の家族を対象に募集を開始した。所属施設の外来では、募集を案内するパンフレットを設置し、対象疾患の患者およびその家族への説明を開始した。これにより、当初想定していた研究参加者の確保が、患者・健常小児とも今後予定通り行えると見込んでいる。なお、現在までに患者1名、健常小児1名の応募があり、いずれも計測を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画と、現在までの進捗状況は以下の通りで、おおむね達成できている。1「アイトラッキング計測に係る機器のセットアップを行い、安全性を保ちながら計測が正常に行われることを、健常成人で確認する。」 ⇒ 健常成人および健常小児で予備試験を行い、確認できた。また、最適な計測手順を決定した。2「研究に係る倫理申請を研究代表者の所属施設で行う。」 ⇒ 研究に係る倫理申請を行い、平成26年12月に承認を得た。3「倫理申請の承認が得られた後に、研究を開始する。」 ⇒ 研究参加者の募集を、研究代表者の所属施設において患者および健常小児の両方で開始しており、現在患者1名、健常小児1名で計測が進行中である。 平成27年度の研究実施計画は、4「被験者数を増やして継続する。」、5「研究の成果をまとめて、学会、論文等で公表する。」であり、これらは未達である。 以上より、おおむね当初の実施計画通りに進捗しており、「(2)おおむね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画は、4「被験者数を増やして継続する。」、5「研究の成果をまとめて、学会、論文等で公表する。」である。平成28年度の研究実施計画は上記4、5に加え、6「四肢の運動感覚麻痺や欠損を示す先天性疾患に対する適切なリハビリテーション手法を提案し、これを患者に適応することで、四肢のアイトラッキングの結果に変化が生じるか否かを観察する。」である。 4については、研究代表者の所属施設での外来患者に対する研究参加者募集の周知を積極的・継続的に行っていく。万が一、患者の応募が予定より少ないと見込まれる場合は、研究代表者の所属施設以外からの募集も行う。健常小児の研究参加者については、募集に特に問題はないと見込んでいる。 5については、ある程度の人数のデータ収集が必要である。平成27年度後半の学会発表、平成28年度後半の論文発表を目標と設定し、研究参加者の募集および計測とデータの分析を推進していく。 6については、データ収集や分析結果から、患者の特徴を明らかにすることで、リハビリテーション手技について平成27年度後半より検討を始め、平成28年度に手技の実施を行い、変化を観察できるように進めていく。
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Research Products
(4 results)